しりりの前に一糸まとわぬ姿で立つ深淵
カーテンを閉め切った薄暗い部屋の中で見るその白い裸身からは、微かな燐光が放たれているような
錯覚さえ覚えた
深淵の裸を見るのはこれが初めてじゃない――――ふいに思い出す

前に一度、まだ仲が良かった頃のれむっふにそそのかされて深淵に自撮りを送らせたことがある
ガリガリに痩せた貧相な体付きで、それでもなお上目遣いでまっすぐレンズに向けられたその目からは
無視され続ける日々から脱することを渇望する強い意志が確かに感じられた
俺と深淵の関係、全てはあの些細な悪ふざけから始まったんだ

ギターをスタンドに立てかけ、深淵に向かって差し伸べた手でその細い腰に触れる
「あ……」
深淵が喉の奥から漏らしたそのかぼそい声は、他のどんな音源よりも心地よくしりりの耳をくすぐった
(なんて澄み渡った「クリーントーン」を奏でるんだ……)
思わず抱き寄せた深淵の裸身は、これまで手にしたどんなギターよりもしりりの手にしっくりと馴染んだ