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【Vのモノ】夕厶antiスレ√676【鍋】

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2018/12/24(月) 12:37:47.41
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公式
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※前スレ
【バーチャルYoutuber】タ厶antiスレ√675【鍋】
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2018/12/24(月) 13:58:14.38
いう寺は天下に一ツもない筈だ」 オレは目もくらみ耳もふさがり、叫びたてるわが姿をトキをつくるのようだと思ったほどだ。アナマロは苦笑した。「相弟子どもと鎮守のホコラを造るのとはワケがちがうぞ。お前が腕
くらべをするのは、お前の師と並んでヒダの三名人とうたわれている青ガサとフル釜だぞ」「青ガサもフル釜も、親方すらも怖ろしいと思うものか。オレが一心不乱にやれば、オレのイノチがオレの造る寺や仏像に宿るだ
けだ」 アナマロはあわれんで溜息をもらすような面持であったが、どう思い直してか、オレを親方の代りに長者の邸へ連れていった。「キサマは仕合せ者だな。キサマの造った品物がオメガネにかなう筈はないが、日本
中の男という男がまだ見ぬ恋に胸をこがしている夜長姫サマの御身ちかくで暮すことができるのだからさ。せいぜい仕事を長びかせて、一時も長く逗留の工夫をめぐらすがよい。どうせかなわぬ仕事の工夫はいらぬことだ
」 道々、アナマロはこんなことを云ってオレをイラだたせた。「どうせかなわぬオレを連れて行くことはありますまい」「そこが虫のカゲンだな。キサマは運のいい奴だ」 オレは旅の途中でアナマロに別れて幾度か立
ち帰ろうと思った。しかし、青ガサやフル釜と技を競う名誉がオレを誘惑した。彼らを怖れて逃げたと思われるのが心外であった。オレは自分に云いきかせた。「一心不乱に、オレのイノチを打ちこんだ仕事をやりとげれ
ばそれでいいのだ。目玉がフシアナ同然の奴らのメガネにかなわなくとも、それがなんだ。オレが刻んだ仏像を道のホコラに安置して、その下に穴を掘って、土に埋もれて死ぬだけのことだ」 たしかにオレは生きて帰ら
ぬような悲痛な覚悟を胸にかためていた。つまりは青ガサやフル釜を怖れる心のせいであろう。正直なところ、自信はなかった。 長者の邸へ着いた翌日、アナマロにみちびかれて奥の庭で、長者に会って挨拶した。長者
はまるまるとふとり、頬がたるんで、福の神のような恰好の人であった。 かたわらに夜長ヒメがいた。長者の頭にシラガが生えそめたころにようやく生れた一粒種だから、一夜ごとに二握りの黄金を百夜にかけてしぼら
せ、したたる露をあつめて産湯をつかわせたと云われていた。その露がしみたために、ヒメの身体は生れながらに光りかがやき、黄金の香りがすると云われていた。 オレは一心不乱にヒメを見つめなければならないと思
った。なぜなら、親方が常にこう言いきかせていたからだ。「珍しい人や物に出会ったときは目を放すな。オレの師匠がそう云っていた。そして、師匠はそのまた師匠にそう云われ、そのまた師匠のそのまた師匠のまたま
た昔の大昔の大親の師匠の代から順くりにそう云われてきたのだぞ。大蛇に足をかまれても、目を放すな」 だからオレは夜長ヒメを見つめた。オレは小心のせいか、覚悟をきめてかからなければ人の顔を見つめることが
できなかった。しかし、気おくれをジッと押えて、見つめているうちに次第に平静にかえる満足を感じたとき、オレは親方の教訓の重大な意味が分ったような気がするのだった。のしかかるように見つめ伏せてはダメだ。
その人やその物とともに、ひと色の水のようにすきとおらなければならないのだ。 オレは夜長ヒメを見つめた。ヒメはまだ十三だった。身体はノビノビと高かったが、子供の香がたちこめていた。威厳はあったが、怖ろ
しくはなかった。オレはむしろ張りつめた力がゆるんだような気がしたが、それはオレが負けたせいかも知れない。そして、オレはヒメを見つめていた筈だが、ヒメのうしろに広々とそびえている乗鞍山《ノリクラヤマ》
が後々まで強くしみて残ってしまった。 アナマロはオレを長者にひき合せて、「これが耳男《ミミオ》でございます。若いながらも師の骨法をすべて会得し、さらに独自の工夫も編みだしたほどの師匠まさりで、青ガサ
やフル釜と技を競ってオクレをとるとは思われぬと師が口をきわめてほめたたえたほどのタクミであります」 意外にも殊勝なことを言った。すると長者はうなずいたが、「なるほど、大きな耳だ」 オレの耳を一心に見
つめた。そして、また云った。「大耳は下へ垂れがちなものだが、この耳は上へ立ち、頭よりも高くのびている。兎の耳のようだ。しかし、顔相は、馬だな」 オレの頭に血がさかまいた。オレは人々に耳のことを言われ
た時ほど逆上し、混乱することはない。いかな勇気も決心も、この混乱をふせぐことができないのだ。すべての血が上体にあがり、たちまち汗がしたたった。それはいつものことではあるが、この日の汗はたぐいのないも
のだった。ヒタイも、耳のまわりも、クビ筋も、一時に滝のように汗があふれて流れた。 長者はそれをフシギそうに眺めていた。すると、ヒメが叫んだ。「本当に馬にそッくりだわ。黒い顔が赤くなって、馬の色にそッ
2018/12/24(月) 13:58:47.71
一息にのみほした。それを見るまではさほどのこととは思わなかったが、その時からはあまりの怖ろしさに、蛇をさく馴れた手までが狂いがちであった。 オレも三年の間、数の知れない蛇を裂いて生き血をのみ死体を天
井に逆吊りにしたが、オレが自分ですることだから怖ろしいとも異様とも思わなかった。 ヒメは蛇の生き血をのみ、蛇体を高楼に逆吊りにして、何をするつもりなのだろう。目的の善悪がどうあろうとも、高楼にのぼり
、ためらう色もなくニッコリと蛇の生き血を飲みほすヒメはあまり無邪気で、怖ろしかった。 ヒメは三匹目の生き血までは一息に飲みほした。四匹目からは屋根や床上へまきちらした。 オレが袋の中の蛇をみんな裂い
2018/12/24(月) 13:59:20.50
いて、この先なにを支えに仕事をつづけて行けるだろうかとオレは嘆かずにいられなかった。 二度目の袋を背負って戻ると、ヒメの頬も目もかがやきに燃えてオレを迎えた。ヒメはオレにニッコリと笑いかけながら小さ
く叫んだ。「すばらしい!」 ヒメは指して云った。「ほら、あすこの野良に一人死んでいるでしょう。つい今しがたよ。クワを空高くかざしたと思うと取り落してキリキリ舞いをはじめたのよ。そしてあの人が動かなく
なったと思うと、ほら、あすこの野良にも一人倒れているでしょう。あの人がキリキリ舞いをはじめたのよ。そして、今しがたまで這ってうごめいていたのに」 ヒメの目はそこにジッとそそがれていた。まだうごめきや
2018/12/24(月) 13:59:36.42
メになぶられているのではないかと疑っていた。さりげない風を見せているが、実はやっぱり元日にオレを殺すつもりであったに相違ないとオレは時々考えた。なぜなら、ヒメはオレの造ったバケモノを疫病よけに門前へ
すえさせたとき、「耳男が無数の蛇を裂き殺して逆さに吊り、蛇の生き血をあびながら咒いをかけて刻んだバケモノだから、疫病よけのマジナイぐらいにはなりそうね。ほかに取得もなさそうですから、門の前へ飾ってご
らん」 と云ったそうだ。オレはそれを人づてにきいて、思わずすくんでしまったものだ。オレが咒いをかけて刻んだことまで知りぬいていて、オレを生かしておくヒメが怖ろしいと思った。三人のタクミの作からオレの
物を選んでおいて、疫病よけのマジナイにでも使うほかに取得もなさそうだとシャア/\と言うヒメの本当の腹の底が怖ろしかった。オレにヒキデモノを与えた元日には、ヒメの言葉に長者まで蒼ざめてしまった。ヒメの
本当の腹の底は、父の長者にも量りかねるのであろう。ヒメがそれを行う時まで、ヒメの心は全ての人に解きがたい謎であろう。いまはオレを殺すことが念頭になくとも、元日にはあったかも知れないし、また明日はある
かも知れない。ヒメがオレの何かに興味をもったということは、オレがヒメにいつ殺されてもフシギではないということであろう。 オレのミロクはどうやらヒメの無邪気な笑顔に近づいてきた。ツブラな目。尖端に珠玉
をはらんだようなミズミズしいまるみをおびた鼻。だが、そのような顔のかたちは特に技術を要することではない。オレが精魂かたむけて立向わねばならぬものは、あどけない笑顔の秘密であった。一点の翳りもなく冴え
た明るい無邪気な笑顔。そこには血を好む一筋のキザシも示されていない。魔神に通じるいかなる色も、いかなる匂いも示されていない。ただあどけない童女のものが笑顔の全てで、どこにも秘密のないものだった。それ
がヒメの笑顔の秘密であった。「ヒメの顔は、形のほかに何かが匂っているのかも知れないな。黄金をしぼった露で産湯をつかったからヒメのからだは生れながらにかがやいて黄金の匂いがすると云われているが、俗の眼
はむしろ鋭く秘密を射当てることがあるものだ。ヒメの顔をつつんでいる目に見えぬ匂いを、オレのノミが刻みださなければならないのだな」 オレはそんなことを考えた。 そして、このあどけない笑顔がいつオレを殺
すかも知れない顔だと考えると、その怖れがオレの仕事の心棒になった。ふと手を休めて気がつくと、その怖れが、だきしめても足りないほどなつかしく心にしみる時があった。 ヒメがオレの小屋へ現れて、「今日も人
が死んだわ」 と云うとき、オレは何も言うことがなくて、概ねヒメの笑顔を見つめているばかりであった。 オレはヒメの本心を訊いてみたいとは思わなかった。俗念は無益なことだ。ヒメに本心があるとすれば、あど
けない笑顔が、そして匂いが全てなのだ。すくなくともタクミにとってはそれが全てであるし、オレの現身《うつしみ》にとってもそれが全てであろう。三年昔、オレがヒメの顔に見とれたときから、それが全部であるこ
とがすでに定められたようなものだった。 どうやらホーソー神が通りすぎた。この村の五分の一が死んでいた。長者の邸には多数の人々が住んでいるのに、一人も病人がでなかったから、オレの造ったバケモノが一躍村
人に信心された。 長者がまッさきに打ちこんだ。「耳男があまたの蛇を生き裂きにして逆吊りにかけ生き血をあびながら咒いをこめて造ったバケモノだから、その怖ろしさにホーソー神も近づくことができないのだな」
 ヒメの言葉をうけうりして吹聴した。 バケモノは山上の長者の邸の門前から運び降ろされて、山の下の池のフチの三ツ又のにわか造りのホコラの中に鎮座した。遠い村から拝みにくる人も少くなかった。そしてオレは
たちまち名人ともてはやされたが、その上の大評判をとったのは夜長ヒメであった。オレの手になるバケモノが間に合って長者の一家を護ったのもヒメの力によるというのだ。尊い神がヒメの生き身に宿っておられる。尊
い神の化身であるという評判がたちまち村々へひろがった。 山下のホコラへオレのバケモノを拝みにきた人々のうちには、山上の長者の邸の門前へきてぬかずいて拝んで帰る者もあったし、門前へお供え物を置いて行く
者もあった。 ヒメはお供え物のカブや菜ッ葉をオレに示して、言った。「これはお前がうけた物よ。おいしく煮てお食べ」 ヒメの顔はニコニコとかがやいていた。オレはヒメがからかいに来たと見て、ムッとした。そ
して答えた。「天下|名題《なだい》のホトケを造ったヒダのタクミはたくさん居りますが、お供え物をいただいた話はききませんや。生き神様のお供え物にきまっているから、おいしく煮ておあがり下さい」 ヒメの笑
2018/12/24(月) 13:59:52.91
、それを恥じたり気に病んだりして、オレの顔は益々熱く燃え、汗は滝の如くに湧き流れるのはいつもの例であった。「こまったことだ。残念なことだ。こんなに汗をビッショリかいて慌ててしまえば、まるでオレの下心
がたしかにそうだと白状しているように思われてしまうばかりだ」 こう考えて、オレは益々うろたえた。額から汗の玉がポタポタとしたたり落ちて、いつやむ気色もなくなってしまった。オレは観念して目を閉じた。オ
レにとってこの赤面と汗はマトモに抵抗しがたい大敵であった。観念の眼をとじてつとめて無心にふける以外に汗の雨ダレを食いとめる手段がなかった。 そのとき、ヒメの声がきこえた。「スダレをあげて」 そう命じ
た。たぶん侍女もいるのだろうが、オレは目を開けて確かめるのを控えた。一時も早く汗の雨ダレを食いとめるには、見たいものも見てはならぬ。オレはもう一度ジックリとヒメの顔が見たかったのだ。「耳男よ。目をあ
けて。そして、私の問いに答えて」 と、ヒメが命じた。オレはシブシブ目をあけた。スダレはまかれて、ヒメは縁に立っていた。「お前、エナコに耳を斬り落されても、虫ケラにかまれたようだッて? ほんとうにそう
?」 無邪気な明るい笑顔だとオレは思った。オレは大きくうなずいて、「ほんとうにそうです」と答えた。「あとでウソだと仰有ッてはダメよ」「そんなことは言いやしません。虫ケラだと思っているから、死に首も、
生き首もマッピラでさア」 ヒメはニッコリうなずいた。ヒメはエナコに向って云った。「エナコよ。耳男の片耳もかんでおやり。虫ケラにかまれても腹が立たないそうですから、存分にかんであげるといいわ。虫ケラの
歯を貸してあげます。なくなったお母様の形見の品の一ツだけど、耳男の耳をかんだあとではお前にあげます」 ヒメは懐剣をとって侍女に渡した。侍女はそれをささげてエナコの前に差出した。 オレはエナコがよもや
それを受けとるとは考えていなかった。斧でクビを斬る代りにイマシメの縄をきりはらってやったオレの耳を斬る刀だ。 しかし、エナコは受けとった。なるほど、ヒメの与えた刀なら受けとらぬワケにはゆくまいが、よ
もやそのサヤは払うまいとまたオレは考えた。 可憐なヒメは無邪気にイタズラをたのしんでいる。その明るい笑顔を見るがよい。虫も殺さぬ笑顔とは、このことだ。イタズラをたのしむ亢奮もなければ、何かを企む翳り
もない。童女そのものの笑顔であった。 オレはこう思った。問題は、エナコが巧みな言葉で手に受けた懐剣をヒメに返すことができるかどうか、ということだ。まんまと懐剣をせしめることができるほど巧みな言葉を思
いつけば、尚のこと面白い。それに応じて、オレがうまいこと警句の一ツも合せることができれば、この上もなしであろう。ヒメは満足してスダレをおろすに相違ない。 オレがこう考えたのは、あとで思えばフシギなこ
とだ。なぜなら、ヒメはエナコに懐剣を与えて、オレの耳を斬れと命じているのだし、オレが片耳を失ったのもその大本はと云えばヒメからではないか。そして、オレが怖ろしい魔神の像をきざんでやるぞと心をきめたの
もヒメのため。その像を見ておどろく人もまずヒメでなければならぬ筈だ。そのヒメがエナコに懐剣を与えてオレの耳を斬り落せと命じているのに、オレがそれを幸福な遊びのひとときだとふと考えていたのは、思えばフ
シギなことであった。ヒメの冴え冴えとした笑顔、澄んだツブラな目のせいであろうか。オレは夢を見たようにフシギでならぬ。 オレはエナコが刀のサヤを払うまいと思ったから、その思いを目にこめてウットリとヒメ
の笑顔に見とれた。思えばこれが何よりの不覚、心の隙であったろう。 オレがすさまじい気魄に気がついて目を転じたとき、すでにエナコはズカズカとオレの目の前に進んでいた。 シマッタ! とオレは思った。エナ
コはオレの鼻先で懐剣のサヤを払い、オレの耳の尖《さき》をつまんだ。 オレは他の全てを忘れて、ヒメを見た。ヒメの言葉がある筈だ。エナコに与えるヒメの言葉が。あの冴え冴えと澄んだ童女の笑顔から当然ほとば
しる鶴の一声が。 オレは茫然とヒメの顔を見つめた。冴えた無邪気な笑顔を。ツブラな澄みきった目を。そしてオレは放心した。このようにしているうちに順を追うてオレの耳が斬り落されるのをオレはみんな知ってい
たが、オレの目はヒメの顔を見つめたままどうすることもできなかったし、オレの心は目にこもる放心が全部であった。オレは耳をそぎ落されたのちも、ヒメをボンヤリ仰ぎ見ていた。 オレの耳がそがれたとき、オレは
ヒメのツブラな目が生き生きとまるく大きく冴えるのを見た。ヒメの頬にやや赤みがさした。軽い満足があらわれて、すぐさま消えた。すると笑いも消えていた。ひどく真剣な顔だった。考え深そうな顔でもあった。なん
2018/12/24(月) 14:00:26.62
ち帰ろうと思った。しかし、青ガサやフル釜と技を競う名誉がオレを誘惑した。彼らを怖れて逃げたと思われるのが心外であった。オレは自分に云いきかせた。「一心不乱に、オレのイノチを打ちこんだ仕事をやりとげれ
ばそれでいいのだ。目玉がフシアナ同然の奴らのメガネにかなわなくとも、それがなんだ。オレが刻んだ仏像を道のホコラに安置して、その下に穴を掘って、土に埋もれて死ぬだけのことだ」 たしかにオレは生きて帰ら
ぬような悲痛な覚悟を胸にかためていた。つまりは青ガサやフル釜を怖れる心のせいであろう。正直なところ、自信はなかった。 長者の邸へ着いた翌日、アナマロにみちびかれて奥の庭で、長者に会って挨拶した。長者
2018/12/24(月) 14:00:59.27
本当の腹の底は、父の長者にも量りかねるのであろう。ヒメがそれを行う時まで、ヒメの心は全ての人に解きがたい謎であろう。いまはオレを殺すことが念頭になくとも、元日にはあったかも知れないし、また明日はある
かも知れない。ヒメがオレの何かに興味をもったということは、オレがヒメにいつ殺されてもフシギではないということであろう。 オレのミロクはどうやらヒメの無邪気な笑顔に近づいてきた。ツブラな目。尖端に珠玉
をはらんだようなミズミズしいまるみをおびた鼻。だが、そのような顔のかたちは特に技術を要することではない。オレが精魂かたむけて立向わねばならぬものは、あどけない笑顔の秘密であった。一点の翳りもなく冴え
2018/12/24(月) 14:01:15.21
り、ひッさいて生き血をしぼり、一息に呷《あお》って、のこるのを造りかけのモノノケの像にしたたらせた。 日に七匹、また十匹ととったから、一夏を終らぬうちに、小屋のまわりの草むらの蛇は絶えてしまった。オ
レは山に入って日に一袋の蛇をとった。 小屋の天井は吊るした蛇の死体で一パイになった。ウジがたかり、ムンムンと臭気がたちこめ、風にゆれ、冬がくるとカサカサと風に鳴った。 吊るした蛇がいッせいに襲いかか
ってくるような幻を見ると、オレはかえって力がわいた。蛇の怨霊がオレにこもって、オレが蛇の化身となって生れ変った気がしたからだ。そして、こうしなければ、オレは仕事をつづけることができなかったのだ。 オ
レはヒメの笑顔を押し返すほど力のこもったモノノケの姿を造りだす自信がなかったのだ。オレの力だけでは足りないことをさとっていた。それと戦う苦しさに、いッそ気が違ってしまえばよいと思ったほどだ。オレの心
がヒメにとりつく怨霊になればよいと念じもした。しかし、仕事の急所に刻みかかると、必ず一度はヒメの笑顔に押されているオレのヒルミに気がついた。 三年目の春がきたとき、七分通りできあがって仕上げの急所に
かかっていたから、オレは蛇の生き血に飢えていた。オレは山にわけこんで兎や狸や鹿をとり、胸をさいて生き血をしぼり、ハラワタをまきちらした。クビを斬り落して、その血を像にしたたらせた。「血を吸え。そして
、ヒメの十六の正月にイノチが宿って生きものになれ。人を殺して生き血を吸う鬼となれ」 それは耳の長い何ものかの顔であるが、モノノケだか、魔神だか、死神だか、鬼だか、怨霊だか、オレにも得体が知れなかった
。オレはただヒメの笑顔を押し返すだけの力のこもった怖ろしい物でありさえすれば満足だった。 秋の中ごろにチイサ釜が仕事を終えた。また秋の終りには青ガサも仕事を終えた。オレは冬になって、ようやく像を造り
終えた。しかし、それをおさめるズシにはまだ手をつけていなかった。 ズシの形や模様はヒメの調度にふさわしい可愛いものに限ると思った。扉をひらくと現れる像の凄味をひきたてるには、あくまで可憐な様式にかぎ
る。 オレはのこされた短い日数のあいだ寝食も忘れがちにズシにかかった。そしてギリギリの大晦日の夜までかかって、ともかく仕上げることができた。手のこんだ細工はできなかったが、扉には軽く花鳥をあしらった
。豪奢でも華美でもないが、素朴なところにむしろ気品が宿ったように思った。 深夜に人手をかりて運びだして、チイサ釜と青ガサの作品の横へオレの物を並べた。オレはとにかく満足だった。オレは小屋へ戻ると、毛
皮をひッかぶって、地底へひきずりこまれるように眠りこけた。 オレは戸を叩く音に目をさました。夜が明けている。陽はかなり高いようだ。そうか。今日がヒメの十六の正月か、とオレはふと思いついた。戸を叩く音
は執拗につづいた。オレは食物を運んできた女中だと思ったから、「うるさいな。いつものように、だまって外へ置いて行け。オレには新年も元日もありやしねえ。ここだけは娑婆がちがうということをオレが口をすッぱ
くして言って聞かせてあるのが、三年たってもまだ分らないのか」「目がさめたら、戸をおあけ」「きいた風なことを言うな。オレが戸を開けるのは目がさめた時じゃアねえや」「では、いつ、あける?」「外に人が居な
い時だ」「それは、ほんとね?」 オレはそれをきいたとき、忘れることのできない特徴のあるヒメの抑揚をききつけて、声の主はヒメその人だと直覚した。にわかにオレの全身が恐怖のために凍ったように思った。どう
してよいのか分らなくて、オレはウロウロとむなしく時間を費した。「私が居るうちに出ておいで。出てこなければ、出てくるようにしてあげますよ」 静かな声がこう云った。ヒメが侍女に命じて戸の外に何か積ませて
いたのをオレはさとっていたが、火打石をうつ音に、それは枯れ柴だと直感した。オレははじかれたように戸口へ走り、カンヌキを外して戸をあけた。 戸があいたのでそこから風が吹きこむように、ヒメはニコニコと小
屋の中へはいってきた。オレの前を通りこして、先に立って中へはいった。 三年のうちにヒメのカラダは見ちがえるようにオトナになっていた。顔もオトナになっていたが、無邪気な明るい笑顔だけは、三年前と同じよ
うに澄みきった童女のものであった。 侍女たちは小屋の中をみてたじろいだ。ヒメだけはたじろいだ気色がなかった。ヒメは珍しそうに室内を見まわし、また天井を見まわした。蛇は無数の骨となってぶらさがっていた
が、下にも無数の骨が落ちてくずれていた。「みんな蛇ね」 ヒメの笑顔に生き生きと感動がかがやいた。ヒメは頭上に手をさしのばして垂れ下っている蛇の白骨の一ツを手にとろうとした。その白骨はヒメの肩に落ちく
2018/12/24(月) 14:01:31.46
さしくヒメの言われる通り、いま造っているミロクなんぞはただのチッポケな人間だな。ヒメはこの青空と同じぐらい大きいような気がするな」 あんまり怖ろしいものを見てしまったとオレは思った。こんな物を見てお
いて、この先なにを支えに仕事をつづけて行けるだろうかとオレは嘆かずにいられなかった。 二度目の袋を背負って戻ると、ヒメの頬も目もかがやきに燃えてオレを迎えた。ヒメはオレにニッコリと笑いかけながら小さ
く叫んだ。「すばらしい!」 ヒメは指して云った。「ほら、あすこの野良に一人死んでいるでしょう。つい今しがたよ。クワを空高くかざしたと思うと取り落してキリキリ舞いをはじめたのよ。そしてあの人が動かなく
なったと思うと、ほら、あすこの野良にも一人倒れているでしょう。あの人がキリキリ舞いをはじめたのよ。そして、今しがたまで這ってうごめいていたのに」 ヒメの目はそこにジッとそそがれていた。まだうごめきや
しないかと期待しているのかも知れなかった。 オレはヒメの言葉をきいているうちに汗がジットリ浮んできた。怖れとも悲しみともつかない大きなものがこみあげて、オレはどうしてよいのか分らなくなってしまった。
オレの胸にカタマリがつかえて、ただハアハアとあえいだ。 そのときヒメの冴えわたる声がオレによびかけた。「耳男よ。ごらん! あすこに、ほら! キリキリ舞いをしはじめた人がいてよ。ほら、キリキリと舞って
いてよ。お日さまがまぶしいように。お日さまに酔ったよう」 オレはランカンに駈けよって、ヒメの示す方を見た。長者の邸のすぐ下の畑に、一人の農夫が両手をひろげて、空の下を泳ぐようにユラユラとよろめいてい
た。カガシに足が生えて、左右にくの字をふみながらユラユラと小さな円を踏み廻っているようだ。バッタリ倒れて、這いはじめた。オレは目をとじて、退いた。顔も、胸も、背中も、汗でいっぱいだった。「ヒメが村の
人間をみな殺しにしてしまう」 オレはそれをハッキリ信じた。オレが高楼の天井いっぱいに蛇の死体を吊し終えた時、この村の最後の一人が息をひきとるに相違ない。 オレが天井を見上げると、風の吹き渡る高楼だか
ら、何十本もの蛇の死体が調子をそろえてゆるやかにゆれ、隙間からキレイな青空が見えた。閉めきったオレの小屋では、こんなことは見かけることができなかったが、ぶらさがった蛇の死体までがこんなに美しいという
ことは、なんということだろうとオレは思った。こんなことは人間世界のことではないとオレは思った。 オレが逆吊りにした蛇の死体をオレの手が斬り落すか、ここからオレが逃げ去るか、どっちか一ツを選ぶより仕方
がないとオレは思った。オレはノミを握りしめた。そして、いずれを選ぶべきかに尚も迷った。そのとき、ヒメの声がきこえた。「とうとう動かなくなったわ。なんて可愛いのでしょうね。お日さまが、うらやましい。日
本中の野でも里でも町でも、こんな風に死ぬ人をみんな見ていらッしゃるのね」 それをきいているうちにオレの心が変った。このヒメを殺さなければ、チャチな人間世界はもたないのだとオレは思った。 ヒメは無心に
野良を見つめていた。新しいキリキリ舞いを探しているのかも知れなかった。なんて可憐なヒメだろうとオレは思った。そして、心がきまると、オレはフシギにためらわなかった。むしろ強い力がオレを押すように思われ
た。 オレはヒメに歩み寄ると、オレの左手をヒメの左の肩にかけ、だきすくめて、右手のキリを胸にうちこんだ。オレの肩はハアハアと大きな波をうっていたが、ヒメは目をあけてニッコリ笑った。「サヨナラの挨拶を
して、それから殺して下さるものよ。私もサヨナラの挨拶をして、胸を突き刺していただいたのに」 ヒメのツブラな瞳はオレに絶えず、笑みかけていた。 オレはヒメの言う通りだと思った。オレも挨拶がしたかったし
、せめてお詫びの一言も叫んでからヒメを刺すつもりであったが、やっぱりのぼせて、何も言うことができないうちにヒメを刺してしまったのだ。今さら何を言えよう。オレの目に不覚の涙があふれた。 するとヒメはオ
レの手をとり、ニッコリとささやいた。「好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノがすばらしいのもそのためなのよ。いつも天井に蛇を吊して
、いま私を殺したように立派な仕事をして……」 ヒメの目が笑って、とじた。 オレはヒメを抱いたまま気を失って倒れてしまった。
 オレの親方はヒダ随一の名人とうたわれたタクミであったが、夜長の長者に招かれたのは、老病で死期の近づいた時だった。親方は身代りにオレをスイセンして、「これはまだ二十の若者だが、小さいガキのころからオ
2018/12/24(月) 14:01:47.71
がヒメにとりつく怨霊になればよいと念じもした。しかし、仕事の急所に刻みかかると、必ず一度はヒメの笑顔に押されているオレのヒルミに気がついた。 三年目の春がきたとき、七分通りできあがって仕上げの急所に
かかっていたから、オレは蛇の生き血に飢えていた。オレは山にわけこんで兎や狸や鹿をとり、胸をさいて生き血をしぼり、ハラワタをまきちらした。クビを斬り落して、その血を像にしたたらせた。「血を吸え。そして
、ヒメの十六の正月にイノチが宿って生きものになれ。人を殺して生き血を吸う鬼となれ」 それは耳の長い何ものかの顔であるが、モノノケだか、魔神だか、死神だか、鬼だか、怨霊だか、オレにも得体が知れなかった
。オレはただヒメの笑顔を押し返すだけの力のこもった怖ろしい物でありさえすれば満足だった。 秋の中ごろにチイサ釜が仕事を終えた。また秋の終りには青ガサも仕事を終えた。オレは冬になって、ようやく像を造り
終えた。しかし、それをおさめるズシにはまだ手をつけていなかった。 ズシの形や模様はヒメの調度にふさわしい可愛いものに限ると思った。扉をひらくと現れる像の凄味をひきたてるには、あくまで可憐な様式にかぎ
る。 オレはのこされた短い日数のあいだ寝食も忘れがちにズシにかかった。そしてギリギリの大晦日の夜までかかって、ともかく仕上げることができた。手のこんだ細工はできなかったが、扉には軽く花鳥をあしらった
。豪奢でも華美でもないが、素朴なところにむしろ気品が宿ったように思った。 深夜に人手をかりて運びだして、チイサ釜と青ガサの作品の横へオレの物を並べた。オレはとにかく満足だった。オレは小屋へ戻ると、毛
皮をひッかぶって、地底へひきずりこまれるように眠りこけた。 オレは戸を叩く音に目をさました。夜が明けている。陽はかなり高いようだ。そうか。今日がヒメの十六の正月か、とオレはふと思いついた。戸を叩く音
は執拗につづいた。オレは食物を運んできた女中だと思ったから、「うるさいな。いつものように、だまって外へ置いて行け。オレには新年も元日もありやしねえ。ここだけは娑婆がちがうということをオレが口をすッぱ
くして言って聞かせてあるのが、三年たってもまだ分らないのか」「目がさめたら、戸をおあけ」「きいた風なことを言うな。オレが戸を開けるのは目がさめた時じゃアねえや」「では、いつ、あける?」「外に人が居な
い時だ」「それは、ほんとね?」 オレはそれをきいたとき、忘れることのできない特徴のあるヒメの抑揚をききつけて、声の主はヒメその人だと直覚した。にわかにオレの全身が恐怖のために凍ったように思った。どう
してよいのか分らなくて、オレはウロウロとむなしく時間を費した。「私が居るうちに出ておいで。出てこなければ、出てくるようにしてあげますよ」 静かな声がこう云った。ヒメが侍女に命じて戸の外に何か積ませて
いたのをオレはさとっていたが、火打石をうつ音に、それは枯れ柴だと直感した。オレははじかれたように戸口へ走り、カンヌキを外して戸をあけた。 戸があいたのでそこから風が吹きこむように、ヒメはニコニコと小
屋の中へはいってきた。オレの前を通りこして、先に立って中へはいった。 三年のうちにヒメのカラダは見ちがえるようにオトナになっていた。顔もオトナになっていたが、無邪気な明るい笑顔だけは、三年前と同じよ
うに澄みきった童女のものであった。 侍女たちは小屋の中をみてたじろいだ。ヒメだけはたじろいだ気色がなかった。ヒメは珍しそうに室内を見まわし、また天井を見まわした。蛇は無数の骨となってぶらさがっていた
が、下にも無数の骨が落ちてくずれていた。「みんな蛇ね」 ヒメの笑顔に生き生きと感動がかがやいた。ヒメは頭上に手をさしのばして垂れ下っている蛇の白骨の一ツを手にとろうとした。その白骨はヒメの肩に落ちく
ずれた。それを軽く手で払ったが、落ちた物には目もくれなかった。一ツ一ツが珍しくて、一ツの物に長くこだわっていられない様子に見えた。「こんなことを思いついたのは、誰なの? ヒダのタクミの仕事場がみんな
こうなの? それとも、お前の仕事場だけのこと?」「たぶん、オレの小屋だけのことでしょう」 ヒメはうなずきもしなかったが、やがて満足のために笑顔は冴えかがやいた。三年昔、オレが見納めにしたヒメの顔は、
にわかに真剣にひきしまって退屈しきった顔であったが、オレの小屋では笑顔の絶えることがなかった。「火をつけなくてよかったね。燃してしまうと、これを見ることができなかったわ」 ヒメは全てを見終ると満足し
て呟いたが、「でも、もう、燃してしまうがよい」 侍女に枯れ柴をつませて火をかけさせた。小屋が煙につつまれ、一時にどッと燃えあがるのを見とどけると、ヒメはオレに云った。「珍しいミロクの像をありがとう。
2018/12/24(月) 14:02:03.83
歯を貸してあげます。なくなったお母様の形見の品の一ツだけど、耳男の耳をかんだあとではお前にあげます」 ヒメは懐剣をとって侍女に渡した。侍女はそれをささげてエナコの前に差出した。 オレはエナコがよもや
それを受けとるとは考えていなかった。斧でクビを斬る代りにイマシメの縄をきりはらってやったオレの耳を斬る刀だ。 しかし、エナコは受けとった。なるほど、ヒメの与えた刀なら受けとらぬワケにはゆくまいが、よ
もやそのサヤは払うまいとまたオレは考えた。 可憐なヒメは無邪気にイタズラをたのしんでいる。その明るい笑顔を見るがよい。虫も殺さぬ笑顔とは、このことだ。イタズラをたのしむ亢奮もなければ、何かを企む翳り
もない。童女そのものの笑顔であった。 オレはこう思った。問題は、エナコが巧みな言葉で手に受けた懐剣をヒメに返すことができるかどうか、ということだ。まんまと懐剣をせしめることができるほど巧みな言葉を思
いつけば、尚のこと面白い。それに応じて、オレがうまいこと警句の一ツも合せることができれば、この上もなしであろう。ヒメは満足してスダレをおろすに相違ない。 オレがこう考えたのは、あとで思えばフシギなこ
とだ。なぜなら、ヒメはエナコに懐剣を与えて、オレの耳を斬れと命じているのだし、オレが片耳を失ったのもその大本はと云えばヒメからではないか。そして、オレが怖ろしい魔神の像をきざんでやるぞと心をきめたの
もヒメのため。その像を見ておどろく人もまずヒメでなければならぬ筈だ。そのヒメがエナコに懐剣を与えてオレの耳を斬り落せと命じているのに、オレがそれを幸福な遊びのひとときだとふと考えていたのは、思えばフ
シギなことであった。ヒメの冴え冴えとした笑顔、澄んだツブラな目のせいであろうか。オレは夢を見たようにフシギでならぬ。 オレはエナコが刀のサヤを払うまいと思ったから、その思いを目にこめてウットリとヒメ
の笑顔に見とれた。思えばこれが何よりの不覚、心の隙であったろう。 オレがすさまじい気魄に気がついて目を転じたとき、すでにエナコはズカズカとオレの目の前に進んでいた。 シマッタ! とオレは思った。エナ
コはオレの鼻先で懐剣のサヤを払い、オレの耳の尖《さき》をつまんだ。 オレは他の全てを忘れて、ヒメを見た。ヒメの言葉がある筈だ。エナコに与えるヒメの言葉が。あの冴え冴えと澄んだ童女の笑顔から当然ほとば
しる鶴の一声が。 オレは茫然とヒメの顔を見つめた。冴えた無邪気な笑顔を。ツブラな澄みきった目を。そしてオレは放心した。このようにしているうちに順を追うてオレの耳が斬り落されるのをオレはみんな知ってい
たが、オレの目はヒメの顔を見つめたままどうすることもできなかったし、オレの心は目にこもる放心が全部であった。オレは耳をそぎ落されたのちも、ヒメをボンヤリ仰ぎ見ていた。 オレの耳がそがれたとき、オレは
ヒメのツブラな目が生き生きとまるく大きく冴えるのを見た。ヒメの頬にやや赤みがさした。軽い満足があらわれて、すぐさま消えた。すると笑いも消えていた。ひどく真剣な顔だった。考え深そうな顔でもあった。なん
だ、これで全部か、とヒメは怒っているように見えた。すると、ふりむいて、ヒメは物も云わず立ち去ってしまった。 ヒメが立ち去ろうとするとき、オレの目に一粒ずつの大粒の涙がたまっているのに気がついた。 そ
れからの足かけ三年というものは、オレの戦いの歴史であった。 オレは小屋にとじこもってノミをふるッていただけだが、オレがノミをふるう力は、オレの目に残るヒメの笑顔に押されつづけていた。オレはそれを押し
返すために必死に戦わなければならなかった。 オレがヒメに自然に見とれてしまったことは、オレがどのようにあがいても所詮勝味がないように思われたが、オレは是が非でも押し返して、怖ろしいモノノケの像をつく
らなければとあせった。 オレはひるむ心が起ったとき水を浴びることを思いついた。十パイ二十パイと気が遠くなるほど水を浴びた。また、ゴマをたくことから思いついて、オレは松ヤニをいぶした。また足のウラの土
フマズに火を当てて焼いた。それらはすべてオレの心をふるい起して、襲いかかるように仕事にはげむためであった。 オレの小屋のまわりはジメジメした草むらで無数の蛇の棲み家だから、小屋の中にも蛇は遠慮なくも
ぐりこんできたが、オレはそれをひッさいて生き血をのんだ。そして蛇の死体を天井から吊るした。蛇の怨霊がオレにのりうつり、また仕事にものりうつれとオレは念じた。 オレは心のひるむたびに草むらにでて蛇をと
り、ひッさいて生き血をしぼり、一息に呷《あお》って、のこるのを造りかけのモノノケの像にしたたらせた。 日に七匹、また十匹ととったから、一夏を終らぬうちに、小屋のまわりの草むらの蛇は絶えてしまった。オ
2018/12/24(月) 14:02:37.49
挨拶ももどかしく、ヒタイを下にすりつけて、必死に叫んだ。オレは顔をあげる力がなかったのだ。「今生のお願いでございます。お姫サマのお顔お姿を刻ませて下さいませ。それを刻み残せば、あとはいつ死のうとも悔
いはございません」 意外にもアッサリと長者の返答があった。「ヒメがそれに同意なら、願ってもないことだ。ヒメよ。異存はないか」 それに答えたヒメの言葉もアッサリと、これまた意外千万であった。「私が耳男
にそれを頼むつもりでしたの。耳男が望むなら申分ございません」「それは、よかった」 長者は大そう喜んで思わず大声で叫んだが、オレに向って、やさしく云った。「耳男よ。顔をあげよ。三年の間、御苦労だった。
2018/12/24(月) 14:03:10.48
いつけば、尚のこと面白い。それに応じて、オレがうまいこと警句の一ツも合せることができれば、この上もなしであろう。ヒメは満足してスダレをおろすに相違ない。 オレがこう考えたのは、あとで思えばフシギなこ
とだ。なぜなら、ヒメはエナコに懐剣を与えて、オレの耳を斬れと命じているのだし、オレが片耳を失ったのもその大本はと云えばヒメからではないか。そして、オレが怖ろしい魔神の像をきざんでやるぞと心をきめたの
もヒメのため。その像を見ておどろく人もまずヒメでなければならぬ筈だ。そのヒメがエナコに懐剣を与えてオレの耳を斬り落せと命じているのに、オレがそれを幸福な遊びのひとときだとふと考えていたのは、思えばフ
2018/12/24(月) 14:03:46.09
れからの足かけ三年というものは、オレの戦いの歴史であった。 オレは小屋にとじこもってノミをふるッていただけだが、オレがノミをふるう力は、オレの目に残るヒメの笑顔に押されつづけていた。オレはそれを押し
返すために必死に戦わなければならなかった。 オレがヒメに自然に見とれてしまったことは、オレがどのようにあがいても所詮勝味がないように思われたが、オレは是が非でも押し返して、怖ろしいモノノケの像をつく
らなければとあせった。 オレはひるむ心が起ったとき水を浴びることを思いついた。十パイ二十パイと気が遠くなるほど水を浴びた。また、ゴマをたくことから思いついて、オレは松ヤニをいぶした。また足のウラの土
2018/12/24(月) 14:03:53.89
個人アンチスレ復活!ざまあwww
2018/12/24(月) 14:27:45.81
てす
2018/12/24(月) 14:33:18.37
荒らし息切れかよだせえな
しっかり荒らせ
2018/12/24(月) 14:44:31.50
いなくなった?
2018/12/24(月) 14:44:54.72
おほぉ?
2018/12/24(月) 14:45:21.73
おほほい?
2018/12/24(月) 16:09:23.18
過疎
2018/12/24(月) 17:26:30.26
おほほい!おほほい!
2018/12/24(月) 17:48:42.64
爆撃されたから死んでるのかと思った
2018/12/24(月) 18:04:07.74
このスレageたらまた来るかな
2018/12/24(月) 18:33:37.13
ここ使える?
2018/12/24(月) 18:42:30.57
つかえる
その前にここ

【バーチャルYoutuber】ENTUM(エンタム)アンチスレ676【鍋】
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1545623436/
218名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/12/24(月) 21:20:30.21
ここか?
2018/12/24(月) 21:20:48.43
おう
2018/12/24(月) 21:21:58.57
くこけ?
2018/12/24(月) 21:23:20.19
くこか?
2018/12/24(月) 21:30:04.58
992 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2018/12/24(月) 21:18:58.65
アカリがキズナアイにスパチャしてて草

これさぁ
アカリがドワンゴ寄りなシロに引っ張られて対立に巻き込まれてるだけで
シロがいなければアカリもキズナアイ側について団結できたんじゃないか
2018/12/24(月) 21:31:32.68
ホロコラボ5000超えてるのか
2018/12/24(月) 21:32:18.43
>>222
DUOは完全にドワンゴ側
むしろアプランより繋がりが深い
https://japanese.engadget.com/2018/12/20/vr-13-3d-vrm/
2018/12/24(月) 21:41:28.75
>>224
■参加企業
IVR、XVI、S-court、クラスター、クリプトン・フューチャー・メディア、SHOWROOM、DUO、ドワンゴ、バーチャルキャスト、ピクシブ、ミラティブ、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン、Wright Flyer Live Entertainment
■オブザーバー
任天堂
2018/12/24(月) 21:42:14.08
最強同盟だな
2018/12/24(月) 21:47:11.82
今こちらで進行中
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1545654022/
2018/12/24(月) 21:48:16.65
>>227
思いつきで書いたのスレタイにするなよw
2018/12/24(月) 21:58:18.82
>>228
悪くないと思うぞ
Vtuberスレだけが標的にされてる可能性高いからな
230名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/12/24(月) 23:06:45.59
次ここか?
2018/12/24(月) 23:07:24.65
ここはかんなちゃんの植民地にするゆ
2018/12/24(月) 23:08:36.92
こっちか?
2018/12/24(月) 23:08:47.88
くこ?
2018/12/24(月) 23:08:48.72
星空学園最強!
235名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/12/24(月) 23:08:59.25
くこだ
2018/12/24(月) 23:09:31.89
ここ残ってたのか
2018/12/24(月) 23:09:34.42
くこけ?
2018/12/24(月) 23:09:45.91
リアリティはシロよりも馬の負荷テストの方が印象に残ってる
2018/12/24(月) 23:09:57.31
ここかよ
2018/12/24(月) 23:10:03.16
名取やっぱ強いな
2018/12/24(月) 23:10:04.35
荒らし中断してたのか
2018/12/24(月) 23:10:29.21
>>238
ニコ動見たけどあのお祭り感は馬だからこそだったな
2018/12/24(月) 23:10:33.13
荒らしって中断するものなのか…
2018/12/24(月) 23:11:39.52
ゴリラがひっそりと独自音楽レーベル立ち上げてて草
2018/12/24(月) 23:11:43.06
>>238
クリスマス衣装と滝のような薔薇がマッチしててエモかった🌹
2018/12/24(月) 23:11:54.60
クリスマスに同接どこも増えるの草 Vtuberの視聴者さぁ…
明日のアカリも期待できる
2018/12/24(月) 23:12:01.68
>>900
http://itest.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1545655426/l50
次スレ
2018/12/24(月) 23:12:04.57
イオリ7000
アカリ〜😭😭😭😭😭
2018/12/24(月) 23:12:06.42
この時間めっちゃ人いるな
2018/12/24(月) 23:12:11.83
>>243
手動だからな
2018/12/24(月) 23:12:24.11
ちゃる様の声好きすぎる
2018/12/24(月) 23:12:34.93
>>242
馬の前のシロで無料ギフトがOFFに設定された
シロに有料無料全部投げれなくなったから溜まった分馬で在庫処分するしかなくなった
2018/12/24(月) 23:12:49.75
暇だからつべ見てるんだろ

暇…?

ん?
2018/12/24(月) 23:12:55.54
>>246
正月にアカリが伸びたの見れば分かるだろ?
2018/12/24(月) 23:13:28.26
月ノ 13000
名取 10000
イオリ 7000

ここら辺の層って被ってなさそうだし人多いんだな
2018/12/24(月) 23:13:33.41
イオリは8000いくかな?
2018/12/24(月) 23:13:34.86
クリスマスもお前らと一緒だねチュ
2018/12/24(月) 23:13:55.74
>>255
景気いいな
2018/12/24(月) 23:13:56.92
アカリは明日二万超えるかな
2018/12/24(月) 23:14:01.11
月ノvs名取vsイオリvsVB
激戦区すぎだろ
2018/12/24(月) 23:14:02.00
>>255
ハイレベルだな
2018/12/24(月) 23:14:05.04
意外と食い合わないんだな
2018/12/24(月) 23:14:09.34
>>257
んちゅ……ちゅっ…
2018/12/24(月) 23:14:31.61
>>252
シロ無料分投げられなかったの??
2018/12/24(月) 23:14:59.29
>>264
負荷のせいか投げられなくされてた
2018/12/24(月) 23:15:06.57
イオリじゃなくてごんごんだったら怪獣大決戦みたいで面白かったのに
2018/12/24(月) 23:15:13.95
>>255
何でここに混ざれないんだろうな
2018/12/24(月) 23:15:30.77
今日は景気いいな
アカリも今日放送すればよかったのに
2018/12/24(月) 23:15:34.33
>>266
それちょっと見たかったな
2018/12/24(月) 23:16:10.47
はじめまして、いつもありがとうございますっ!
.LIVE所属 アイドル部 ヤマトイオリです🎀

遅い時間に失礼いたしますっ!!

今日は今日は、クリスマスイブですって!!🎄🌟
クリスマスイブのイブって前の日って意味なのかな??
てことはお誕生日の前の日はお誕生日イブ?

ハッピーバースデーイブ。。?

なんてことない12月24日だよ!って言う方もいるかもしれませんが、
たまにはこういった行事にちょっと心を傾けてみて、
一緒に過ごすのもいいかもしれないですよね₍ᐢ⑅•ᴗ•⑅ᐢ₎

なのでイオリは!今日という日に配信するー!!!
一緒に過ごしましょう(。・_・。)

アーカイブなんですが!!おこ!!って方も、
みてる時がその時って思ったら大丈夫です!
そしてツイッターにもイオリからのプレゼントを
載せておくので是非そっちもみてみてねっ!!

ハッピーメリークリスマスとは、
幸せな日でありますように。。。♡
2018/12/24(月) 23:16:18.22
アカリも今日やれば5000はいったのに
2018/12/24(月) 23:16:34.22
>>265
賢い判断だな…
馬でバグっても笑って済まされるけどシロでバグってたらシロ組暴れてただろ
2018/12/24(月) 23:16:45.42
あのポイントの在庫処分はリアリティへの絶縁状でもあるんだよな
ポイント無理に使い切るって事はこんな所もう来ねえってことだし
2018/12/24(月) 23:16:50.12
みやぢは幾つでしたか
2018/12/24(月) 23:17:00.14
名取強くね?最近一万いってない印象あったけど
2018/12/24(月) 23:17:11.76
>>271
界王拳なしでVBと殴り合えるな
2018/12/24(月) 23:17:13.01
明日クリスマスだけど平日だからなー
2018/12/24(月) 23:17:18.17
アカリもシロみたいに素のマイア成分多めに出そう
必死にから騒ぎするのはもう止めよう
2018/12/24(月) 23:17:43.39
>>264
それどころか途中から有料分も負荷でエラーになった
2018/12/24(月) 23:17:46.13
>>275
今日みたいな日は名取の真骨頂でしょ
2018/12/24(月) 23:18:02.38
>>275
今日はイブだぞ?
2018/12/24(月) 23:18:07.61
なあ、イオリごんよりも同接めっちゃ劣ってるのにごんよりスパチャ多くないか?
2018/12/24(月) 23:18:20.65
>>273
無料ポイントで投げれるやつで配信1分見てたら1.5本分貰える程度のものだぞ
2018/12/24(月) 23:18:37.15
イオリ一万円以上高額分だけで計算しても15万以上投げられてるね
2018/12/24(月) 23:18:42.17
全体的に補正かかってるな
月ノはいつも通りに見えるが
2018/12/24(月) 23:18:49.66
>>282
囲ってる層の違い
2018/12/24(月) 23:18:57.37
>>279
頭おかしいだろ…
でもシロ組的にはそのバグは笑って済ませそうでよかったな…
2018/12/24(月) 23:18:57.73
>>282
人は闇より光を求める
2018/12/24(月) 23:19:11.21
>>282
よく考えろ
ふたばのおっさんどもが奴には付いてんだぞ
2018/12/24(月) 23:19:11.37
アカリゲリラ見れなかったんだけど
コメ拾いは上手くできてたんだろ?
それが通常アカリでもできればな
2018/12/24(月) 23:19:21.29
名取10000か
景気良いな
2018/12/24(月) 23:19:31.17
ドル部箱推しと単推しがいい感じに混在してるのか
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