extend:none:none:1000:512
にじさんじに所属するライバーに関するアンチスレ兼渋谷ハジメ応援スレです
にじさんじに所属するライバーに関するアンチスレ兼渋谷ハジメ応援スレです
・スレを立てるときは先頭に「!extend:none:none:1000:512」を三行いれよう
─────────────────────────────────────────────
※前スレ
【バーチャルYoutuber】にじさんじアンチスレ4837【でろシコ応援スレ】
http://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1547522150/
VIPQ2_EXTDAT: none:none:1000:512:----: EXT was configured
【バーチャルYoutuber】にじさんじアンチスレ4838【ENTAM(エンタム)応援スレ】
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2019/01/15(火) 14:06:33.10
2019/01/15(火) 14:09:32.59
1. 本間ひまわり 84990人 (+353人)
2. 椎名唯華 78340人 (+327人)
3. 舞元啓介 25584人 (+266人)
4. 闇夜乃モルル 46367人 (+242人)
5. 勇気ちひろ 70114人 (+235人)
買ってんねぇ!
2. 椎名唯華 78340人 (+327人)
3. 舞元啓介 25584人 (+266人)
4. 闇夜乃モルル 46367人 (+242人)
5. 勇気ちひろ 70114人 (+235人)
買ってんねぇ!
11名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:09:38.06 アキネコきもすぎて草
スパチャしてろよw
スパチャしてろよw
2019/01/15(火) 14:09:38.37
つづり間違えるのやめたーれ
2019/01/15(火) 14:09:46.90
しば、メンバーシップ始めた
2019/01/15(火) 14:09:48.90
もちひよだけすき
2019/01/15(火) 14:09:57.58
エンタムと戦うマンって猫宮は無視するよな
16名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:09:57.85 乾の誕生日ツイートに葛葉が顔文字リプしてるけど、こいつ顔文字なんか使うっけ?
2019/01/15(火) 14:10:00.82
魔界ノりりむ、闇夜乃モルル、鈴鹿詩子、森中花咲、竹花ノート
北上双葉、神楽すず、ヤマトイオリ
ロボ子、白上フブキ
ヨメミ、夏実萌恵
薬袋カルテ、名取さな、八月二雪
北上双葉、神楽すず、ヤマトイオリ
ロボ子、白上フブキ
ヨメミ、夏実萌恵
薬袋カルテ、名取さな、八月二雪
2019/01/15(火) 14:10:00.98
>>10
舞元買いすぎだろ…
舞元買いすぎだろ…
2019/01/15(火) 14:10:04.03
乞食w
2019/01/15(火) 14:10:05.35
エンタム誰が居るのか知らんわ
2019/01/15(火) 14:10:08.49
2019/01/15(火) 14:10:15.86
>>10
(・ワ・)法的問題、倫理的問題はないござ
(・ワ・)法的問題、倫理的問題はないござ
2019/01/15(火) 14:10:41.32
>>10
舞元今日も2回行動するかもとか言ってるからぐんぐん伸びるな
舞元今日も2回行動するかもとか言ってるからぐんぐん伸びるな
2019/01/15(火) 14:10:49.45
2019/01/15(火) 14:10:58.12
>>10
これ昨日の?りりむが一番だと思ってた
これ昨日の?りりむが一番だと思ってた
2019/01/15(火) 14:10:58.54
>>10
椎名まだ買うか…
椎名まだ買うか…
2019/01/15(火) 14:11:03.09
しばは糞ゲーやらないでマイクラやればいいのに
2019/01/15(火) 14:11:06.18
舞元コウそのうち抜くな
2019/01/15(火) 14:11:11.15
>>10
モルル流れ来てるな
モルル流れ来てるな
2019/01/15(火) 14:11:16.35
>>20
は一段落を告げた。三十六にもなって、子供も三人あって、あんなことを考えたかと思うと、馬鹿々々しく
なる。けれど……けれど……本当にこれが事実だろうか。あれだけの愛情を自身に注いだのは単に愛情として
のみで、恋ではなかったろうか」 数多い感情ずくめの手紙――二人の関係はどうしても尋常ではなかった。
妻があり、子があり、世間があり、師弟の関係があればこそ敢て烈しい恋に落ちなかったが、語り合う胸の轟
、相見る眼の光、その底には確かに凄じい暴風が潜んでいたのである。機会に遭遇しさえすれば、その底の底
の暴風は忽ち勢を得て、妻子も世間も道徳も師弟の関係も一挙にして破れて了うであろうと思われた。少くと
も男はそう信じていた。それであるのに、二三日来のこの出来事、これから考えると、女は確かにその感情を
偽り売ったのだ。自分を欺いたのだと男は幾度も思った。けれど文学者だけに、この男は自ら自分の心理を客
観するだけの余裕を有っていた。年若い女の心理は容易に判断し得られるものではない、かの温い嬉しい愛情
は、単に女性特有の自然の発展で、美しく見えた眼の表情も、やさしく感じられた態度も都て無意識で、無意
味で、自然の花が見る人に一種の慰藉を与えたようなものかも知れない。一歩を譲って女は自分を愛して恋し
ていたとしても、自分は師、かの女は門弟、自分は妻あり子ある身、かの女は妙齢の美しい花、そこに互に意
識の加わるのを如何ともすることは出来まい。いや、更に一歩を進めて、あの熱烈なる一封の手紙、陰に陽に
その胸の悶を訴えて、丁度自然の力がこの身を圧迫するかのように、最後の情を伝えて来た時、その謎をこの
身が解いて遣らなかった。女性のつつましやかな性として、その上に猶露わに迫って来ることがどうして出来
よう。そういう心理からかの女は失望して、今回のような事を起したのかも知れぬ。「とにかく時機は過ぎ去
った。かの女は既に他人の所有だ!」 歩きながら渠はこう絶叫して頭髪をむしった。 縞セルの背広に、麦
稈帽、藤蔓の杖をついて、やや前のめりにだらだらと坂を下りて行く。時は九月の中旬、残暑はまだ堪え難く
暑いが、空には既に清涼の秋気が充ち渡って、深い碧の色が際立って人の感情を動かした。肴屋、酒屋、雑貨
0621e3e5e7
の客座敷、八畳の一間、前に往来の頻繁な道路があって、がやがやと往来の人やら子供やらで喧しい。時雄の
書斎にある西洋本箱を小さくしたような本箱が一閑張の机の傍にあって、その上には鏡と、紅皿と、白粉の罎
と、今一つシュウソカリの入った大きな罎がある。これは神経過敏で、頭脳が痛くって為方が無い時に飲むの
だという。本箱には紅葉全集、近松世話浄瑠璃、英語の教科書、ことに新しく買ったツルゲネーフ全集が際立
って目に附く。で、未来の閨秀作家は学校から帰って来ると、机に向って文を書くというよりは、寧ろ多く手
紙を書くので、男の友達も随分多い。男文字の手紙も随分来る。中にも高等師範の学生に一人、早稲田大学の
学生に一人、それが時々遊びに来たことがあったそうだ。 麹町土手三番町の一角には、女学生もそうハイカ
ラなのが沢山居ない。それに、市ヶ谷見附の彼方には時雄の妻君の里の家があるのだが、この附近は殊に昔風
の商家の娘が多い。で、尠くとも芳子の神戸仕込のハイカラはあたりの人の目を聳たしめた。時雄は姉の言葉
として、妻から常に次のようなことを聞される。「芳子さんにも困ったものですねと姉が今日も言っていまし
たよ、男の友達が来るのは好いけれど、夜など一緒に二七(不動)に出かけて、遅くまで帰って来ないことが
あるんですって。そりゃ芳子さんはそんなことは無いのに決っているけれど、世間の口が喧しくって為方が無
いと云っていました」 これを聞くと時雄は定って芳子の肩を持つので、「お前達のような旧式の人間には芳
子の遣ることなどは判りやせんよ。男女が二人で歩いたり話したりさえすれば、すぐあやしいとか変だとか思
うのだが、一体、そんなことを思ったり、言ったりするのが旧式だ、今では女も自覚しているから、為ようと
思うことは勝手にするさ」 この議論を時雄はまた得意になって芳子にも説法した。「女子ももう自覚せんけ
ればいかん。昔の女のように依頼心を持っていては駄目だ。ズウデルマンのマグダの言った通り、父の手から
すぐに夫の手に移るような意気地なしでは為方が無い。日本の新しい婦人としては、自ら考えて自ら行うよう
にしなければいかん」こう言っては、イブセンのノラの話や、ツルゲネーフのエレネの話や、露西亜、独逸あ
たりの婦人の意志と感情と共に富んでいることを話し、さて、「けれど自覚と云うのは、自省ということをも
は一段落を告げた。三十六にもなって、子供も三人あって、あんなことを考えたかと思うと、馬鹿々々しく
なる。けれど……けれど……本当にこれが事実だろうか。あれだけの愛情を自身に注いだのは単に愛情として
のみで、恋ではなかったろうか」 数多い感情ずくめの手紙――二人の関係はどうしても尋常ではなかった。
妻があり、子があり、世間があり、師弟の関係があればこそ敢て烈しい恋に落ちなかったが、語り合う胸の轟
、相見る眼の光、その底には確かに凄じい暴風が潜んでいたのである。機会に遭遇しさえすれば、その底の底
の暴風は忽ち勢を得て、妻子も世間も道徳も師弟の関係も一挙にして破れて了うであろうと思われた。少くと
も男はそう信じていた。それであるのに、二三日来のこの出来事、これから考えると、女は確かにその感情を
偽り売ったのだ。自分を欺いたのだと男は幾度も思った。けれど文学者だけに、この男は自ら自分の心理を客
観するだけの余裕を有っていた。年若い女の心理は容易に判断し得られるものではない、かの温い嬉しい愛情
は、単に女性特有の自然の発展で、美しく見えた眼の表情も、やさしく感じられた態度も都て無意識で、無意
味で、自然の花が見る人に一種の慰藉を与えたようなものかも知れない。一歩を譲って女は自分を愛して恋し
ていたとしても、自分は師、かの女は門弟、自分は妻あり子ある身、かの女は妙齢の美しい花、そこに互に意
識の加わるのを如何ともすることは出来まい。いや、更に一歩を進めて、あの熱烈なる一封の手紙、陰に陽に
その胸の悶を訴えて、丁度自然の力がこの身を圧迫するかのように、最後の情を伝えて来た時、その謎をこの
身が解いて遣らなかった。女性のつつましやかな性として、その上に猶露わに迫って来ることがどうして出来
よう。そういう心理からかの女は失望して、今回のような事を起したのかも知れぬ。「とにかく時機は過ぎ去
った。かの女は既に他人の所有だ!」 歩きながら渠はこう絶叫して頭髪をむしった。 縞セルの背広に、麦
稈帽、藤蔓の杖をついて、やや前のめりにだらだらと坂を下りて行く。時は九月の中旬、残暑はまだ堪え難く
暑いが、空には既に清涼の秋気が充ち渡って、深い碧の色が際立って人の感情を動かした。肴屋、酒屋、雑貨
0621e3e5e7
の客座敷、八畳の一間、前に往来の頻繁な道路があって、がやがやと往来の人やら子供やらで喧しい。時雄の
書斎にある西洋本箱を小さくしたような本箱が一閑張の机の傍にあって、その上には鏡と、紅皿と、白粉の罎
と、今一つシュウソカリの入った大きな罎がある。これは神経過敏で、頭脳が痛くって為方が無い時に飲むの
だという。本箱には紅葉全集、近松世話浄瑠璃、英語の教科書、ことに新しく買ったツルゲネーフ全集が際立
って目に附く。で、未来の閨秀作家は学校から帰って来ると、机に向って文を書くというよりは、寧ろ多く手
紙を書くので、男の友達も随分多い。男文字の手紙も随分来る。中にも高等師範の学生に一人、早稲田大学の
学生に一人、それが時々遊びに来たことがあったそうだ。 麹町土手三番町の一角には、女学生もそうハイカ
ラなのが沢山居ない。それに、市ヶ谷見附の彼方には時雄の妻君の里の家があるのだが、この附近は殊に昔風
の商家の娘が多い。で、尠くとも芳子の神戸仕込のハイカラはあたりの人の目を聳たしめた。時雄は姉の言葉
として、妻から常に次のようなことを聞される。「芳子さんにも困ったものですねと姉が今日も言っていまし
たよ、男の友達が来るのは好いけれど、夜など一緒に二七(不動)に出かけて、遅くまで帰って来ないことが
あるんですって。そりゃ芳子さんはそんなことは無いのに決っているけれど、世間の口が喧しくって為方が無
いと云っていました」 これを聞くと時雄は定って芳子の肩を持つので、「お前達のような旧式の人間には芳
子の遣ることなどは判りやせんよ。男女が二人で歩いたり話したりさえすれば、すぐあやしいとか変だとか思
うのだが、一体、そんなことを思ったり、言ったりするのが旧式だ、今では女も自覚しているから、為ようと
思うことは勝手にするさ」 この議論を時雄はまた得意になって芳子にも説法した。「女子ももう自覚せんけ
ればいかん。昔の女のように依頼心を持っていては駄目だ。ズウデルマンのマグダの言った通り、父の手から
すぐに夫の手に移るような意気地なしでは為方が無い。日本の新しい婦人としては、自ら考えて自ら行うよう
にしなければいかん」こう言っては、イブセンのノラの話や、ツルゲネーフのエレネの話や、露西亜、独逸あ
たりの婦人の意志と感情と共に富んでいることを話し、さて、「けれど自覚と云うのは、自省ということをも
2019/01/15(火) 14:11:16.58
家長のニコニコ大百科めっちゃ荒れてて草
32名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:11:20.89 まこじきってにじさんじ組みに入ろうとしたけど断られたってまじなの?
2019/01/15(火) 14:11:25.01
34名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:11:25.97 無印もういらねーだろ
詩子とかえるとかもう10万行けそうにないしクビにしろ
詩子とかえるとかもう10万行けそうにないしクビにしろ
2019/01/15(火) 14:11:26.22
仕事は
お前ら?
お前ら?
2019/01/15(火) 14:11:27.36
>>31
今更そこ荒れるのかよ
今更そこ荒れるのかよ
2019/01/15(火) 14:11:34.56
もうスポーツ実況を頑張ってた舞元は居ないんだ…
2019/01/15(火) 14:11:36.38
ひまわり「3Dモデルの為に登録者買うでござ(チャリンチャリン…
いちから「天皇の新衣装!樋口の新衣装!ゲーマーズい〜らない!w」
これホント草
いちから「天皇の新衣装!樋口の新衣装!ゲーマーズい〜らない!w」
これホント草
2019/01/15(火) 14:11:40.46
2019/01/15(火) 14:11:56.85
このスレ地味に嫌儲多いよな
収益化の度に騒いでる気がする
収益化の度に騒いでる気がする
2019/01/15(火) 14:12:08.76
明治ちゃん次の配信まだ?
はやく何か事を起こしてくれ
はやく何か事を起こしてくれ
2019/01/15(火) 14:12:11.94
>>40
観するだけの余裕を有っていた。年若い女の心理は容易に判断し得られるものではない、かの温い嬉しい愛情
は、単に女性特有の自然の発展で、美しく見えた眼の表情も、やさしく感じられた態度も都て無意識で、無意
味で、自然の花が見る人に一種の慰藉を与えたようなものかも知れない。一歩を譲って女は自分を愛して恋し
ていたとしても、自分は師、かの女は門弟、自分は妻あり子ある身、かの女は妙齢の美しい花、そこに互に意
識の加わるのを如何ともすることは出来まい。いや、更に一歩を進めて、あの熱烈なる一封の手紙、陰に陽に
その胸の悶を訴えて、丁度自然の力がこの身を圧迫するかのように、最後の情を伝えて来た時、その謎をこの
身が解いて遣らなかった。女性のつつましやかな性として、その上に猶露わに迫って来ることがどうして出来
よう。そういう心理からかの女は失望して、今回のような事を起したのかも知れぬ。「とにかく時機は過ぎ去
った。かの女は既に他人の所有だ!」 歩きながら渠はこう絶叫して頭髪をむしった。 縞セルの背広に、麦
稈帽、藤蔓の杖をついて、やや前のめりにだらだらと坂を下りて行く。時は九月の中旬、残暑はまだ堪え難く
暑いが、空には既に清涼の秋気が充ち渡って、深い碧の色が際立って人の感情を動かした。肴屋、酒屋、雑貨
店、その向うに寺の門やら裏店の長屋やらが連って、久堅町の低い地には数多の工場の煙筒が黒い煙を漲らし
ていた。 その数多い工場の一つ、西洋風の二階の一室、それが渠の毎日正午から通う処で、十畳敷ほどの広
さの室の中央には、大きい一脚の卓が据えてあって、傍に高い西洋風の本箱、この中には総て種々の地理書が
一杯入れられてある。渠はある書籍会社の嘱託を受けて地理書の編輯の手伝に従っているのである。文学者に
地理書の編輯! 渠は自分が地理の趣味を有っているからと称して進んでこれに従事しているが、内心これに
甘じておらぬことは言うまでもない。後れ勝なる文学上の閲歴、断篇のみを作って未だに全力の試みをする機
会に遭遇せぬ煩悶、青年雑誌から月毎に受ける罵評の苦痛、渠自らはその他日成すあるべきを意識してはいる
ものの、中心これを苦に病まぬ訳には行かなかった。社会は日増に進歩する。電車は東京市の交通を一変させ
fde62fdd50
相触れることが出来ないように感じられた。 で、毎日機械のように同じ道を通って、同じ大きい門を入って
、輪転機関の屋を撼す音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く挨拶して、こつこつ
と長い狭い階梯を登って、さてその室に入るのだが、東と南に明いたこの室は、午後の烈しい日影を受けて、
実に堪え難く暑い。それに小僧が無精で掃除をせぬので、卓の上には白い埃がざらざらと心地悪い。渠は椅子
に腰を掛けて、煙草を一服吸って、立上って、厚い統計書と地図と案内記と地理書とを本箱から出して、さて
静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まな
い。一行書いては筆を留めてその事を思う。また一行書く、また留める、又書いてはまた留めるという風。そ
してその間に頭脳に浮んで来る考は総て断片的で、猛烈で、急激で、絶望的の分子が多い。ふとどういう聯想
か、ハウプトマンの「寂しき人々」を思い出した。こうならぬ前に、この戯曲をかの女の日課として教えて遣
ろうかと思ったことがあった。ヨハンネス・フォケラートの心事と悲哀とを教えて遣りたかった。この戯曲を
渠が読んだのは今から三年以前、まだかの女のこの世にあることをも夢にも知らなかった頃であったが、その
頃から渠は淋しい人であった。敢てヨハンネスにその身を比そうとは為なかったが、アンナのような女がもし
あったなら、そういう悲劇に陥るのは当然だとしみじみ同情した。今はそのヨハンネスにさえなれぬ身だと思
って長嘆した。 さすがに「寂しき人々」をかの女に教えなかったが、ツルゲネーフの「ファースト」という
短篇を教えたことがあった。洋燈の光明かなる四畳半の書斎、かの女の若々しい心は色彩ある恋物語に憧れ渡
って、表情ある眼は更に深い深い意味を以て輝きわたった。ハイカラな庇髪、櫛、リボン、洋燈の光線がその
半身を照して、一巻の書籍に顔を近く寄せると、言うに言われぬ香水のかおり、肉のかおり、女のかおり――
書中の主人公が昔の恋人に「ファースト」を読んで聞かせる段を講釈する時には男の声も烈しく戦えた。「け
れど、もう駄目だ!」 と、渠は再び頭髪をむしった。 渠は名を竹中時雄と謂った。 今より三年前、三人
目の子が細君の腹に出来て、新婚の快楽などはとうに覚め尽した頃であった。世の中の忙しい事業も意味がな
観するだけの余裕を有っていた。年若い女の心理は容易に判断し得られるものではない、かの温い嬉しい愛情
は、単に女性特有の自然の発展で、美しく見えた眼の表情も、やさしく感じられた態度も都て無意識で、無意
味で、自然の花が見る人に一種の慰藉を与えたようなものかも知れない。一歩を譲って女は自分を愛して恋し
ていたとしても、自分は師、かの女は門弟、自分は妻あり子ある身、かの女は妙齢の美しい花、そこに互に意
識の加わるのを如何ともすることは出来まい。いや、更に一歩を進めて、あの熱烈なる一封の手紙、陰に陽に
その胸の悶を訴えて、丁度自然の力がこの身を圧迫するかのように、最後の情を伝えて来た時、その謎をこの
身が解いて遣らなかった。女性のつつましやかな性として、その上に猶露わに迫って来ることがどうして出来
よう。そういう心理からかの女は失望して、今回のような事を起したのかも知れぬ。「とにかく時機は過ぎ去
った。かの女は既に他人の所有だ!」 歩きながら渠はこう絶叫して頭髪をむしった。 縞セルの背広に、麦
稈帽、藤蔓の杖をついて、やや前のめりにだらだらと坂を下りて行く。時は九月の中旬、残暑はまだ堪え難く
暑いが、空には既に清涼の秋気が充ち渡って、深い碧の色が際立って人の感情を動かした。肴屋、酒屋、雑貨
店、その向うに寺の門やら裏店の長屋やらが連って、久堅町の低い地には数多の工場の煙筒が黒い煙を漲らし
ていた。 その数多い工場の一つ、西洋風の二階の一室、それが渠の毎日正午から通う処で、十畳敷ほどの広
さの室の中央には、大きい一脚の卓が据えてあって、傍に高い西洋風の本箱、この中には総て種々の地理書が
一杯入れられてある。渠はある書籍会社の嘱託を受けて地理書の編輯の手伝に従っているのである。文学者に
地理書の編輯! 渠は自分が地理の趣味を有っているからと称して進んでこれに従事しているが、内心これに
甘じておらぬことは言うまでもない。後れ勝なる文学上の閲歴、断篇のみを作って未だに全力の試みをする機
会に遭遇せぬ煩悶、青年雑誌から月毎に受ける罵評の苦痛、渠自らはその他日成すあるべきを意識してはいる
ものの、中心これを苦に病まぬ訳には行かなかった。社会は日増に進歩する。電車は東京市の交通を一変させ
fde62fdd50
相触れることが出来ないように感じられた。 で、毎日機械のように同じ道を通って、同じ大きい門を入って
、輪転機関の屋を撼す音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く挨拶して、こつこつ
と長い狭い階梯を登って、さてその室に入るのだが、東と南に明いたこの室は、午後の烈しい日影を受けて、
実に堪え難く暑い。それに小僧が無精で掃除をせぬので、卓の上には白い埃がざらざらと心地悪い。渠は椅子
に腰を掛けて、煙草を一服吸って、立上って、厚い統計書と地図と案内記と地理書とを本箱から出して、さて
静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まな
い。一行書いては筆を留めてその事を思う。また一行書く、また留める、又書いてはまた留めるという風。そ
してその間に頭脳に浮んで来る考は総て断片的で、猛烈で、急激で、絶望的の分子が多い。ふとどういう聯想
か、ハウプトマンの「寂しき人々」を思い出した。こうならぬ前に、この戯曲をかの女の日課として教えて遣
ろうかと思ったことがあった。ヨハンネス・フォケラートの心事と悲哀とを教えて遣りたかった。この戯曲を
渠が読んだのは今から三年以前、まだかの女のこの世にあることをも夢にも知らなかった頃であったが、その
頃から渠は淋しい人であった。敢てヨハンネスにその身を比そうとは為なかったが、アンナのような女がもし
あったなら、そういう悲劇に陥るのは当然だとしみじみ同情した。今はそのヨハンネスにさえなれぬ身だと思
って長嘆した。 さすがに「寂しき人々」をかの女に教えなかったが、ツルゲネーフの「ファースト」という
短篇を教えたことがあった。洋燈の光明かなる四畳半の書斎、かの女の若々しい心は色彩ある恋物語に憧れ渡
って、表情ある眼は更に深い深い意味を以て輝きわたった。ハイカラな庇髪、櫛、リボン、洋燈の光線がその
半身を照して、一巻の書籍に顔を近く寄せると、言うに言われぬ香水のかおり、肉のかおり、女のかおり――
書中の主人公が昔の恋人に「ファースト」を読んで聞かせる段を講釈する時には男の声も烈しく戦えた。「け
れど、もう駄目だ!」 と、渠は再び頭髪をむしった。 渠は名を竹中時雄と謂った。 今より三年前、三人
目の子が細君の腹に出来て、新婚の快楽などはとうに覚め尽した頃であった。世の中の忙しい事業も意味がな
2019/01/15(火) 14:12:16.95
>>38
いや椎名ひまわり推しはもう決定してると思うぞ
いや椎名ひまわり推しはもう決定してると思うぞ
44名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:12:19.90 >>39
いやその顔文字がメスみたいなんだか…
いやその顔文字がメスみたいなんだか…
45名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:12:24.97 チャイカ「ハジメさんいい加減にしてくださいよ!レスポンスが遅いから会話のテンポが悪くなるんですよ!特に間を開けて『え?』とか言うのすごいイラつくんでやめてもらっていいですか!?」
(';')「・・・・・・」
(';')「え?」
(';')「・・・・・・」
(';')「え?」
2019/01/15(火) 14:12:25.46
ひまわりはさすがに伸びすぎだ
複数回行動してる訳でもないし
こんなに増えないだろ
複数回行動してる訳でもないし
こんなに増えないだろ
47名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:12:32.87 まこじきってにじさんじ組みに入ろうとしたけど断られたってまじなの?
2019/01/15(火) 14:12:34.52
>>34
アキリリ野良猫の方が先じゃない?
アキリリ野良猫の方が先じゃない?
2019/01/15(火) 14:12:40.90
(・ワ・)度あああああああああ
2019/01/15(火) 14:12:41.57
>>34
詩子はあと10日くらいで10万だな
詩子はあと10日くらいで10万だな
2019/01/15(火) 14:12:45.24
数字乞食 金乞食 ちんぽ乞食 コラボ乞食
乞食ばっかじゃねーかwにじさんじ…
乞食ばっかじゃねーかwにじさんじ…
2019/01/15(火) 14:12:47.74
アカリ〜
2019/01/15(火) 14:12:47.79
>>46
人」 細君は笑った。「そうか……」「今日一時頃、御免なさいと玄関に来た人があるですから、私が出て見
ると、顔の丸い、絣の羽織を着た、白縞の袴を穿いた書生さんが居るじゃありませんか。また、原稿でも持っ
て来た書生さんかと思ったら、横山さんは此方においでですかと言うじゃありませんか。はて、不思議だと思
ったけれど、名を聞きますと、田中……。はア、それでその人だナと思ったんですよ。厭な人ねえ、あんな人
を、あんな書生さんを恋人にしないたッて、いくらも好いのがあるでしょうに。芳子さんは余程物好きね。あ
れじゃとても望みはありませんよ」「それでどうした?」「芳子さんは嬉しいんでしょうけど、何だか極りが
悪そうでしたよ。私がお茶を持って行って上げると、芳子さんは机の前に坐っている。その前にその人が居て
、今まで何か話していたのを急に止して黙ってしまった。私は変だからすぐ下りて来たですがね、……何だか
変ね、……今の若い人はよくああいうことが出来てね、私のその頃には男に見られるのすら恥かしくって恥か
しくって為方がなかったものですのに……」「時代が違うからナ」「いくら時代が違っても、余り新派過ぎる
と思いましたよ。堕落書生と同じですからね。それゃうわべが似ているだけで、心はそんなことはないでしょ
うけれど、何だか変ですよ」「そんなことはどうでも好い。それでどうした?」「お鶴(下女)が行って上げ
ると言うのに、好いと言って、御自分で出かけて、餅菓子と焼芋を買って来て、御馳走してよ。……お鶴も笑
っていましたよ。お湯をさしに上ると、二人でお旨しそうにおさつを食べているところでしたッて……」 時
雄も笑わざるを得なかった。 細君は猶語り続いだ。「そして随分長く高い声で話していましたよ。議論みた
いなことも言って、芳子さんもなかなか負けない様子でした」「そしていつ帰った?」「もう少し以前」「芳
子は居るか」「いいえ、路が分からないから、一緒に其処まで送って行って来るッて出懸けて行ったんですよ
」 時雄は顔を曇らせた。 夕飯を食っていると、裏口から芳子が帰って来た。急いで走って来たと覚しく、
せいせい息を切っている。「何処まで行らしった?」 と細君が問うと、「神楽坂まで」と答えたが、いつも
afeb803733
甘じておらぬことは言うまでもない。後れ勝なる文学上の閲歴、断篇のみを作って未だに全力の試みをする機
会に遭遇せぬ煩悶、青年雑誌から月毎に受ける罵評の苦痛、渠自らはその他日成すあるべきを意識してはいる
ものの、中心これを苦に病まぬ訳には行かなかった。社会は日増に進歩する。電車は東京市の交通を一変させ
た。女学生は勢力になって、もう自分が恋をした頃のような旧式の娘は見たくも見られなくなった。青年はま
た青年で、恋を説くにも、文学を談ずるにも、政治を語るにも、その態度が総て一変して、自分等とは永久に
相触れることが出来ないように感じられた。 で、毎日機械のように同じ道を通って、同じ大きい門を入って
、輪転機関の屋を撼す音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く挨拶して、こつこつ
と長い狭い階梯を登って、さてその室に入るのだが、東と南に明いたこの室は、午後の烈しい日影を受けて、
実に堪え難く暑い。それに小僧が無精で掃除をせぬので、卓の上には白い埃がざらざらと心地悪い。渠は椅子
に腰を掛けて、煙草を一服吸って、立上って、厚い統計書と地図と案内記と地理書とを本箱から出して、さて
静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まな
い。一行書いては筆を留めてその事を思う。また一行書く、また留める、又書いてはまた留めるという風。そ
してその間に頭脳に浮んで来る考は総て断片的で、猛烈で、急激で、絶望的の分子が多い。ふとどういう聯想
か、ハウプトマンの「寂しき人々」を思い出した。こうならぬ前に、この戯曲をかの女の日課として教えて遣
ろうかと思ったことがあった。ヨハンネス・フォケラートの心事と悲哀とを教えて遣りたかった。この戯曲を
渠が読んだのは今から三年以前、まだかの女のこの世にあることをも夢にも知らなかった頃であったが、その
頃から渠は淋しい人であった。敢てヨハンネスにその身を比そうとは為なかったが、アンナのような女がもし
あったなら、そういう悲劇に陥るのは当然だとしみじみ同情した。今はそのヨハンネスにさえなれぬ身だと思
って長嘆した。 さすがに「寂しき人々」をかの女に教えなかったが、ツルゲネーフの「ファースト」という
短篇を教えたことがあった。洋燈の光明かなる四畳半の書斎、かの女の若々しい心は色彩ある恋物語に憧れ渡
人」 細君は笑った。「そうか……」「今日一時頃、御免なさいと玄関に来た人があるですから、私が出て見
ると、顔の丸い、絣の羽織を着た、白縞の袴を穿いた書生さんが居るじゃありませんか。また、原稿でも持っ
て来た書生さんかと思ったら、横山さんは此方においでですかと言うじゃありませんか。はて、不思議だと思
ったけれど、名を聞きますと、田中……。はア、それでその人だナと思ったんですよ。厭な人ねえ、あんな人
を、あんな書生さんを恋人にしないたッて、いくらも好いのがあるでしょうに。芳子さんは余程物好きね。あ
れじゃとても望みはありませんよ」「それでどうした?」「芳子さんは嬉しいんでしょうけど、何だか極りが
悪そうでしたよ。私がお茶を持って行って上げると、芳子さんは机の前に坐っている。その前にその人が居て
、今まで何か話していたのを急に止して黙ってしまった。私は変だからすぐ下りて来たですがね、……何だか
変ね、……今の若い人はよくああいうことが出来てね、私のその頃には男に見られるのすら恥かしくって恥か
しくって為方がなかったものですのに……」「時代が違うからナ」「いくら時代が違っても、余り新派過ぎる
と思いましたよ。堕落書生と同じですからね。それゃうわべが似ているだけで、心はそんなことはないでしょ
うけれど、何だか変ですよ」「そんなことはどうでも好い。それでどうした?」「お鶴(下女)が行って上げ
ると言うのに、好いと言って、御自分で出かけて、餅菓子と焼芋を買って来て、御馳走してよ。……お鶴も笑
っていましたよ。お湯をさしに上ると、二人でお旨しそうにおさつを食べているところでしたッて……」 時
雄も笑わざるを得なかった。 細君は猶語り続いだ。「そして随分長く高い声で話していましたよ。議論みた
いなことも言って、芳子さんもなかなか負けない様子でした」「そしていつ帰った?」「もう少し以前」「芳
子は居るか」「いいえ、路が分からないから、一緒に其処まで送って行って来るッて出懸けて行ったんですよ
」 時雄は顔を曇らせた。 夕飯を食っていると、裏口から芳子が帰って来た。急いで走って来たと覚しく、
せいせい息を切っている。「何処まで行らしった?」 と細君が問うと、「神楽坂まで」と答えたが、いつも
afeb803733
甘じておらぬことは言うまでもない。後れ勝なる文学上の閲歴、断篇のみを作って未だに全力の試みをする機
会に遭遇せぬ煩悶、青年雑誌から月毎に受ける罵評の苦痛、渠自らはその他日成すあるべきを意識してはいる
ものの、中心これを苦に病まぬ訳には行かなかった。社会は日増に進歩する。電車は東京市の交通を一変させ
た。女学生は勢力になって、もう自分が恋をした頃のような旧式の娘は見たくも見られなくなった。青年はま
た青年で、恋を説くにも、文学を談ずるにも、政治を語るにも、その態度が総て一変して、自分等とは永久に
相触れることが出来ないように感じられた。 で、毎日機械のように同じ道を通って、同じ大きい門を入って
、輪転機関の屋を撼す音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く挨拶して、こつこつ
と長い狭い階梯を登って、さてその室に入るのだが、東と南に明いたこの室は、午後の烈しい日影を受けて、
実に堪え難く暑い。それに小僧が無精で掃除をせぬので、卓の上には白い埃がざらざらと心地悪い。渠は椅子
に腰を掛けて、煙草を一服吸って、立上って、厚い統計書と地図と案内記と地理書とを本箱から出して、さて
静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まな
い。一行書いては筆を留めてその事を思う。また一行書く、また留める、又書いてはまた留めるという風。そ
してその間に頭脳に浮んで来る考は総て断片的で、猛烈で、急激で、絶望的の分子が多い。ふとどういう聯想
か、ハウプトマンの「寂しき人々」を思い出した。こうならぬ前に、この戯曲をかの女の日課として教えて遣
ろうかと思ったことがあった。ヨハンネス・フォケラートの心事と悲哀とを教えて遣りたかった。この戯曲を
渠が読んだのは今から三年以前、まだかの女のこの世にあることをも夢にも知らなかった頃であったが、その
頃から渠は淋しい人であった。敢てヨハンネスにその身を比そうとは為なかったが、アンナのような女がもし
あったなら、そういう悲劇に陥るのは当然だとしみじみ同情した。今はそのヨハンネスにさえなれぬ身だと思
って長嘆した。 さすがに「寂しき人々」をかの女に教えなかったが、ツルゲネーフの「ファースト」という
短篇を教えたことがあった。洋燈の光明かなる四畳半の書斎、かの女の若々しい心は色彩ある恋物語に憧れ渡
2019/01/15(火) 14:13:00.93
2019/01/15(火) 14:13:10.73
荒らし湧くんだなこれ
2019/01/15(火) 14:13:15.81
アカリ〜
57名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:13:18.592019/01/15(火) 14:13:21.15
ひまわりの可愛さはにじさんじの枠を出てるからな?
2019/01/15(火) 14:13:22.22
>>51
ていた。 その数多い工場の一つ、西洋風の二階の一室、それが渠の毎日正午から通う処で、十畳敷ほどの広
さの室の中央には、大きい一脚の卓が据えてあって、傍に高い西洋風の本箱、この中には総て種々の地理書が
一杯入れられてある。渠はある書籍会社の嘱託を受けて地理書の編輯の手伝に従っているのである。文学者に
地理書の編輯! 渠は自分が地理の趣味を有っているからと称して進んでこれに従事しているが、内心これに
甘じておらぬことは言うまでもない。後れ勝なる文学上の閲歴、断篇のみを作って未だに全力の試みをする機
会に遭遇せぬ煩悶、青年雑誌から月毎に受ける罵評の苦痛、渠自らはその他日成すあるべきを意識してはいる
ものの、中心これを苦に病まぬ訳には行かなかった。社会は日増に進歩する。電車は東京市の交通を一変させ
た。女学生は勢力になって、もう自分が恋をした頃のような旧式の娘は見たくも見られなくなった。青年はま
た青年で、恋を説くにも、文学を談ずるにも、政治を語るにも、その態度が総て一変して、自分等とは永久に
相触れることが出来ないように感じられた。 で、毎日機械のように同じ道を通って、同じ大きい門を入って
、輪転機関の屋を撼す音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く挨拶して、こつこつ
と長い狭い階梯を登って、さてその室に入るのだが、東と南に明いたこの室は、午後の烈しい日影を受けて、
実に堪え難く暑い。それに小僧が無精で掃除をせぬので、卓の上には白い埃がざらざらと心地悪い。渠は椅子
に腰を掛けて、煙草を一服吸って、立上って、厚い統計書と地図と案内記と地理書とを本箱から出して、さて
静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まな
い。一行書いては筆を留めてその事を思う。また一行書く、また留める、又書いてはまた留めるという風。そ
してその間に頭脳に浮んで来る考は総て断片的で、猛烈で、急激で、絶望的の分子が多い。ふとどういう聯想
か、ハウプトマンの「寂しき人々」を思い出した。こうならぬ前に、この戯曲をかの女の日課として教えて遣
ろうかと思ったことがあった。ヨハンネス・フォケラートの心事と悲哀とを教えて遣りたかった。この戯曲を
9e00ef6517
たりの婦人の意志と感情と共に富んでいることを話し、さて、「けれど自覚と云うのは、自省ということをも
含んでおるですからな、無闇に意志や自我を振廻しては困るですよ。自分の遣ったことには自分が全責任を帯
びる覚悟がなくては」 芳子にはこの時雄の教訓が何より意味があるように聞えて、渇仰の念が愈※(二の字
点、1-2-22)加わった。基督教の教訓より自由でそして権威があるように考えられた。 芳子は女学生
としては身装が派手過ぎた。黄金の指環をはめて、流行を趁った美しい帯をしめて、すっきりとした立姿は、
路傍の人目を惹くに十分であった。美しい顔と云うよりは表情のある顔、非常に美しい時もあれば何だか醜い
時もあった。眼に光りがあってそれが非常によく働いた。四五年前までの女は感情を顕わすのに極めて単純で
、怒った容とか笑った容とか、三種、四種位しかその感情を表わすことが出来なかったが、今では情を巧に顔
に表わす女が多くなった。芳子もその一人であると時雄は常に思った。 芳子と時雄との関係は単に師弟の間
柄としては余りに親密であった。この二人の様子を観察したある第三者の女の一人が妻に向って、「芳子さん
が来てから時雄さんの様子はまるで変りましたよ。二人で話しているところを見ると、魂は二人ともあくがれ
渡っているようで、それは本当に油断がなりませんよ」と言った。他から見れば、無論そう見えたに相違なか
った。けれど二人は果してそう親密であったか、どうか。 若い女のうかれ勝な心、うかれるかと思えばすぐ
沈む。些細なことにも胸を動かし、つまらぬことにも心を痛める。恋でもない、恋でなくも無いというような
やさしい態度、時雄は絶えず思い惑った。道義の力、習俗の力、機会一度至ればこれを破るのは帛を裂くより
も容易だ。唯、容易に来らぬはこれを破るに至る機会である。 この機会がこの一年の間に尠くとも二度近寄
ったと時雄は自分だけで思った。一度は芳子が厚い封書を寄せて、自分の不束なこと、先生の高恩に報ゆるこ
とが出来ぬから自分は故郷に帰って農夫の妻になって田舎に埋れて了おうということを涙交りに書いた時、一
度は或る夜芳子が一人で留守番をしているところへゆくりなく時雄が行って訪問した時、この二度だ。初めの
時は時雄はその手紙の意味を明かに了解した。その返事をいかに書くべきかに就いて一夜眠らずに懊悩した。
ていた。 その数多い工場の一つ、西洋風の二階の一室、それが渠の毎日正午から通う処で、十畳敷ほどの広
さの室の中央には、大きい一脚の卓が据えてあって、傍に高い西洋風の本箱、この中には総て種々の地理書が
一杯入れられてある。渠はある書籍会社の嘱託を受けて地理書の編輯の手伝に従っているのである。文学者に
地理書の編輯! 渠は自分が地理の趣味を有っているからと称して進んでこれに従事しているが、内心これに
甘じておらぬことは言うまでもない。後れ勝なる文学上の閲歴、断篇のみを作って未だに全力の試みをする機
会に遭遇せぬ煩悶、青年雑誌から月毎に受ける罵評の苦痛、渠自らはその他日成すあるべきを意識してはいる
ものの、中心これを苦に病まぬ訳には行かなかった。社会は日増に進歩する。電車は東京市の交通を一変させ
た。女学生は勢力になって、もう自分が恋をした頃のような旧式の娘は見たくも見られなくなった。青年はま
た青年で、恋を説くにも、文学を談ずるにも、政治を語るにも、その態度が総て一変して、自分等とは永久に
相触れることが出来ないように感じられた。 で、毎日機械のように同じ道を通って、同じ大きい門を入って
、輪転機関の屋を撼す音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く挨拶して、こつこつ
と長い狭い階梯を登って、さてその室に入るのだが、東と南に明いたこの室は、午後の烈しい日影を受けて、
実に堪え難く暑い。それに小僧が無精で掃除をせぬので、卓の上には白い埃がざらざらと心地悪い。渠は椅子
に腰を掛けて、煙草を一服吸って、立上って、厚い統計書と地図と案内記と地理書とを本箱から出して、さて
静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まな
い。一行書いては筆を留めてその事を思う。また一行書く、また留める、又書いてはまた留めるという風。そ
してその間に頭脳に浮んで来る考は総て断片的で、猛烈で、急激で、絶望的の分子が多い。ふとどういう聯想
か、ハウプトマンの「寂しき人々」を思い出した。こうならぬ前に、この戯曲をかの女の日課として教えて遣
ろうかと思ったことがあった。ヨハンネス・フォケラートの心事と悲哀とを教えて遣りたかった。この戯曲を
9e00ef6517
たりの婦人の意志と感情と共に富んでいることを話し、さて、「けれど自覚と云うのは、自省ということをも
含んでおるですからな、無闇に意志や自我を振廻しては困るですよ。自分の遣ったことには自分が全責任を帯
びる覚悟がなくては」 芳子にはこの時雄の教訓が何より意味があるように聞えて、渇仰の念が愈※(二の字
点、1-2-22)加わった。基督教の教訓より自由でそして権威があるように考えられた。 芳子は女学生
としては身装が派手過ぎた。黄金の指環をはめて、流行を趁った美しい帯をしめて、すっきりとした立姿は、
路傍の人目を惹くに十分であった。美しい顔と云うよりは表情のある顔、非常に美しい時もあれば何だか醜い
時もあった。眼に光りがあってそれが非常によく働いた。四五年前までの女は感情を顕わすのに極めて単純で
、怒った容とか笑った容とか、三種、四種位しかその感情を表わすことが出来なかったが、今では情を巧に顔
に表わす女が多くなった。芳子もその一人であると時雄は常に思った。 芳子と時雄との関係は単に師弟の間
柄としては余りに親密であった。この二人の様子を観察したある第三者の女の一人が妻に向って、「芳子さん
が来てから時雄さんの様子はまるで変りましたよ。二人で話しているところを見ると、魂は二人ともあくがれ
渡っているようで、それは本当に油断がなりませんよ」と言った。他から見れば、無論そう見えたに相違なか
った。けれど二人は果してそう親密であったか、どうか。 若い女のうかれ勝な心、うかれるかと思えばすぐ
沈む。些細なことにも胸を動かし、つまらぬことにも心を痛める。恋でもない、恋でなくも無いというような
やさしい態度、時雄は絶えず思い惑った。道義の力、習俗の力、機会一度至ればこれを破るのは帛を裂くより
も容易だ。唯、容易に来らぬはこれを破るに至る機会である。 この機会がこの一年の間に尠くとも二度近寄
ったと時雄は自分だけで思った。一度は芳子が厚い封書を寄せて、自分の不束なこと、先生の高恩に報ゆるこ
とが出来ぬから自分は故郷に帰って農夫の妻になって田舎に埋れて了おうということを涙交りに書いた時、一
度は或る夜芳子が一人で留守番をしているところへゆくりなく時雄が行って訪問した時、この二度だ。初めの
時は時雄はその手紙の意味を明かに了解した。その返事をいかに書くべきかに就いて一夜眠らずに懊悩した。
60名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:13:24.07 明治はやく配信しろ!
お前の同接だけが今の楽しみなんだぜ!
お前の同接だけが今の楽しみなんだぜ!
2019/01/15(火) 14:13:26.24
スパチャ投げるより登録者買ってくれるほうがうれ椎名
https://i.imgur.com/IhywuZU.jpg
https://i.imgur.com/IhywuZU.jpg
2019/01/15(火) 14:13:27.87
2019/01/15(火) 14:13:40.15
>>54
ドーラと仲良いだろ
ドーラと仲良いだろ
64名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:13:43.86 まことさん 耳なめ妖怪の真似やめてください
2019/01/15(火) 14:13:50.07
ガイジ召喚やめろや
2019/01/15(火) 14:13:51.22
>>54
運営に会う機会がそもそも少ないのに仲良い悪いもないだろ
運営に会う機会がそもそも少ないのに仲良い悪いもないだろ
2019/01/15(火) 14:13:53.00
>>57
あと1000ちょいだぞ?
あと1000ちょいだぞ?
2019/01/15(火) 14:13:57.18
今日メッチャ寒いな
2019/01/15(火) 14:14:00.24
>>17
萌恵だけわからん
萌恵だけわからん
2019/01/15(火) 14:14:03.74
>>62
そんな甘い世界じゃない
そんな甘い世界じゃない
2019/01/15(火) 14:14:05.17
スパチャの強い椎名がひまわりの為に登録者買ってるんだぞ
2019/01/15(火) 14:14:06.36
荒しきてて草
2019/01/15(火) 14:14:08.34
2019/01/15(火) 14:14:16.07
>>58
この間ひまわりの伸びなんなんって話になったらひまわりはドル部層に受けてるって話題出たけど本当かね
この間ひまわりの伸びなんなんって話になったらひまわりはドル部層に受けてるって話題出たけど本当かね
2019/01/15(火) 14:14:26.66
>>69
エイレーンの英語のやつ
エイレーンの英語のやつ
2019/01/15(火) 14:14:28.42
>>65
静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まな
い。一行書いては筆を留めてその事を思う。また一行書く、また留める、又書いてはまた留めるという風。そ
してその間に頭脳に浮んで来る考は総て断片的で、猛烈で、急激で、絶望的の分子が多い。ふとどういう聯想
か、ハウプトマンの「寂しき人々」を思い出した。こうならぬ前に、この戯曲をかの女の日課として教えて遣
ろうかと思ったことがあった。ヨハンネス・フォケラートの心事と悲哀とを教えて遣りたかった。この戯曲を
渠が読んだのは今から三年以前、まだかの女のこの世にあることをも夢にも知らなかった頃であったが、その
頃から渠は淋しい人であった。敢てヨハンネスにその身を比そうとは為なかったが、アンナのような女がもし
あったなら、そういう悲劇に陥るのは当然だとしみじみ同情した。今はそのヨハンネスにさえなれぬ身だと思
って長嘆した。 さすがに「寂しき人々」をかの女に教えなかったが、ツルゲネーフの「ファースト」という
短篇を教えたことがあった。洋燈の光明かなる四畳半の書斎、かの女の若々しい心は色彩ある恋物語に憧れ渡
って、表情ある眼は更に深い深い意味を以て輝きわたった。ハイカラな庇髪、櫛、リボン、洋燈の光線がその
半身を照して、一巻の書籍に顔を近く寄せると、言うに言われぬ香水のかおり、肉のかおり、女のかおり――
書中の主人公が昔の恋人に「ファースト」を読んで聞かせる段を講釈する時には男の声も烈しく戦えた。「け
れど、もう駄目だ!」 と、渠は再び頭髪をむしった。 渠は名を竹中時雄と謂った。 今より三年前、三人
目の子が細君の腹に出来て、新婚の快楽などはとうに覚め尽した頃であった。世の中の忙しい事業も意味がな
く、一生作に力を尽す勇気もなく、日常の生活――朝起きて、出勤して、午後四時に帰って来て、同じように
細君の顔を見て、飯を食って眠るという単調なる生活につくづく倦き果てて了った。家を引越歩いても面白く
ない、友人と語り合っても面白くない、外国小説を読み渉猟っても満足が出来ぬ。いや、庭樹の繁り、雨の点
滴、花の開落などいう自然の状態さえ、平凡なる生活をして更に平凡ならしめるような気がして、身を置くに
ce8e865b07
も容易だ。唯、容易に来らぬはこれを破るに至る機会である。 この機会がこの一年の間に尠くとも二度近寄
ったと時雄は自分だけで思った。一度は芳子が厚い封書を寄せて、自分の不束なこと、先生の高恩に報ゆるこ
とが出来ぬから自分は故郷に帰って農夫の妻になって田舎に埋れて了おうということを涙交りに書いた時、一
度は或る夜芳子が一人で留守番をしているところへゆくりなく時雄が行って訪問した時、この二度だ。初めの
時は時雄はその手紙の意味を明かに了解した。その返事をいかに書くべきかに就いて一夜眠らずに懊悩した。
穏かに眠れる妻の顔、それを幾度か窺って自己の良心のいかに麻痺せるかを自ら責めた。そしてあくる朝贈っ
た手紙は、厳乎たる師としての態度であった。二度目はそれから二月ほど経った春の夜、ゆくりなく時雄が訪
問すると、芳子は白粉をつけて、美しい顔をして、火鉢の前にぽつねんとしていた。「どうしたの」と訊くと
、「お留守番ですの」「姉は何処へ行った?」「四谷へ買物に」 と言って、じっと時雄の顔を見る。いかに
も艶かしい。時雄はこの力ある一瞥に意気地なく胸を躍らした。二語三語、普通のことを語り合ったが、その
平凡なる物語が更に平凡でないことを互に思い知ったらしかった。この時、今十五分も一緒に話し合ったなら
ば、どうなったであろうか。女の表情の眼は輝き、言葉は艶めき、態度がいかにも尋常でなかった。「今夜は
大変綺麗にしてますね?」 男は態と軽く出た。「え、先程、湯に入りましたのよ」「大変に白粉が白いから
」「あらまア先生!」と言って、笑って体を斜に嬌態を呈した。 時雄はすぐ帰った。まア好いでしょうと芳
子はたって留めたが、どうしても帰ると言うので、名残惜しげに月の夜を其処まで送って来た。その白い顔に
は確かにある深い神秘が籠められてあった。 四月に入ってから、芳子は多病で蒼白い顔をして神経過敏に陥
っていた。シュウソカリを余程多量に服してもどうも眠られぬとて困っていた。絶えざる欲望と生殖の力とは
年頃の女を誘うのに躊躇しない。芳子は多く薬に親しんでいた。 四月末に帰国、九月に上京、そして今回の
事件が起った。 今回の事件とは他でも無い。芳子は恋人を得た。そして上京の途次、恋人と相携えて京都嵯
峨に遊んだ。その遊んだ二日の日数が出発と着京との時日に符合せぬので、東京と備中との間に手紙の往復が
静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まな
い。一行書いては筆を留めてその事を思う。また一行書く、また留める、又書いてはまた留めるという風。そ
してその間に頭脳に浮んで来る考は総て断片的で、猛烈で、急激で、絶望的の分子が多い。ふとどういう聯想
か、ハウプトマンの「寂しき人々」を思い出した。こうならぬ前に、この戯曲をかの女の日課として教えて遣
ろうかと思ったことがあった。ヨハンネス・フォケラートの心事と悲哀とを教えて遣りたかった。この戯曲を
渠が読んだのは今から三年以前、まだかの女のこの世にあることをも夢にも知らなかった頃であったが、その
頃から渠は淋しい人であった。敢てヨハンネスにその身を比そうとは為なかったが、アンナのような女がもし
あったなら、そういう悲劇に陥るのは当然だとしみじみ同情した。今はそのヨハンネスにさえなれぬ身だと思
って長嘆した。 さすがに「寂しき人々」をかの女に教えなかったが、ツルゲネーフの「ファースト」という
短篇を教えたことがあった。洋燈の光明かなる四畳半の書斎、かの女の若々しい心は色彩ある恋物語に憧れ渡
って、表情ある眼は更に深い深い意味を以て輝きわたった。ハイカラな庇髪、櫛、リボン、洋燈の光線がその
半身を照して、一巻の書籍に顔を近く寄せると、言うに言われぬ香水のかおり、肉のかおり、女のかおり――
書中の主人公が昔の恋人に「ファースト」を読んで聞かせる段を講釈する時には男の声も烈しく戦えた。「け
れど、もう駄目だ!」 と、渠は再び頭髪をむしった。 渠は名を竹中時雄と謂った。 今より三年前、三人
目の子が細君の腹に出来て、新婚の快楽などはとうに覚め尽した頃であった。世の中の忙しい事業も意味がな
く、一生作に力を尽す勇気もなく、日常の生活――朝起きて、出勤して、午後四時に帰って来て、同じように
細君の顔を見て、飯を食って眠るという単調なる生活につくづく倦き果てて了った。家を引越歩いても面白く
ない、友人と語り合っても面白くない、外国小説を読み渉猟っても満足が出来ぬ。いや、庭樹の繁り、雨の点
滴、花の開落などいう自然の状態さえ、平凡なる生活をして更に平凡ならしめるような気がして、身を置くに
ce8e865b07
も容易だ。唯、容易に来らぬはこれを破るに至る機会である。 この機会がこの一年の間に尠くとも二度近寄
ったと時雄は自分だけで思った。一度は芳子が厚い封書を寄せて、自分の不束なこと、先生の高恩に報ゆるこ
とが出来ぬから自分は故郷に帰って農夫の妻になって田舎に埋れて了おうということを涙交りに書いた時、一
度は或る夜芳子が一人で留守番をしているところへゆくりなく時雄が行って訪問した時、この二度だ。初めの
時は時雄はその手紙の意味を明かに了解した。その返事をいかに書くべきかに就いて一夜眠らずに懊悩した。
穏かに眠れる妻の顔、それを幾度か窺って自己の良心のいかに麻痺せるかを自ら責めた。そしてあくる朝贈っ
た手紙は、厳乎たる師としての態度であった。二度目はそれから二月ほど経った春の夜、ゆくりなく時雄が訪
問すると、芳子は白粉をつけて、美しい顔をして、火鉢の前にぽつねんとしていた。「どうしたの」と訊くと
、「お留守番ですの」「姉は何処へ行った?」「四谷へ買物に」 と言って、じっと時雄の顔を見る。いかに
も艶かしい。時雄はこの力ある一瞥に意気地なく胸を躍らした。二語三語、普通のことを語り合ったが、その
平凡なる物語が更に平凡でないことを互に思い知ったらしかった。この時、今十五分も一緒に話し合ったなら
ば、どうなったであろうか。女の表情の眼は輝き、言葉は艶めき、態度がいかにも尋常でなかった。「今夜は
大変綺麗にしてますね?」 男は態と軽く出た。「え、先程、湯に入りましたのよ」「大変に白粉が白いから
」「あらまア先生!」と言って、笑って体を斜に嬌態を呈した。 時雄はすぐ帰った。まア好いでしょうと芳
子はたって留めたが、どうしても帰ると言うので、名残惜しげに月の夜を其処まで送って来た。その白い顔に
は確かにある深い神秘が籠められてあった。 四月に入ってから、芳子は多病で蒼白い顔をして神経過敏に陥
っていた。シュウソカリを余程多量に服してもどうも眠られぬとて困っていた。絶えざる欲望と生殖の力とは
年頃の女を誘うのに躊躇しない。芳子は多く薬に親しんでいた。 四月末に帰国、九月に上京、そして今回の
事件が起った。 今回の事件とは他でも無い。芳子は恋人を得た。そして上京の途次、恋人と相携えて京都嵯
峨に遊んだ。その遊んだ二日の日数が出発と着京との時日に符合せぬので、東京と備中との間に手紙の往復が
77名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:14:29.49 ちーちゃんは樋口ライブの恩恵を一番受けてると思う
ライブ直後に配信してちゃんと裏話もしてるし
その後のモルルコラボで無印飽きて見てない次世代リスナーにもアピール
ライブ直後に配信してちゃんと裏話もしてるし
その後のモルルコラボで無印飽きて見てない次世代リスナーにもアピール
2019/01/15(火) 14:14:30.18
運営との仲がどうこうって話してる人の方が少ないのでは?
2019/01/15(火) 14:14:36.06
ブサイクほど登録者買うの常識だぞ?
2019/01/15(火) 14:14:37.39
緑仙の声好きなんだがなんで配信の視聴者数伸びないんやろ
2019/01/15(火) 14:14:38.55
2019/01/15(火) 14:14:40.28
2000円で100増やせるんだっけ
2019/01/15(火) 14:14:52.08
スポーツ実況は今オフシーズンってやつだからじゃないのか
2019/01/15(火) 14:14:53.15
>>17
はちゆきで草
はちゆきで草
2019/01/15(火) 14:14:53.99
まあそもそもひまわり関西住んでるしな
運営も使うつもりないだろ
運営も使うつもりないだろ
2019/01/15(火) 14:14:55.69
87名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:14:57.50 ま こ じ き は ん に ゃ の 形 相
2019/01/15(火) 14:15:00.99
昨日のちーさんのマイクラオススメされたから見ようと思ったら三時間あるじゃねーか!
2019/01/15(火) 14:15:13.98
家長が引退しちゃう!
2019/01/15(火) 14:15:14.10
>>80
ヘラ芸厄介おばさんにみんな飽きた
ヘラ芸厄介おばさんにみんな飽きた
2019/01/15(火) 14:15:17.67
>>79
ゆぽちブスじゃないってあんなに発狂してたくせに
ゆぽちブスじゃないってあんなに発狂してたくせに
2019/01/15(火) 14:15:20.39
いちご今日は配信するよな?
2019/01/15(火) 14:15:21.42
>>61
試しにどっかの個人勢にぶち込んでみてよ
試しにどっかの個人勢にぶち込んでみてよ
94名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:15:26.932019/01/15(火) 14:15:29.33
>>80
声がよくて伸びるなら苦労しない
声がよくて伸びるなら苦労しない
96名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:15:37.94 しぃしぃ!?
2019/01/15(火) 14:15:38.49
荒らしのコピペ一回だけ貼って
うわ、連投ガイジきた。と思わせて連投されないの楽しい
うわ、連投ガイジきた。と思わせて連投されないの楽しい
2019/01/15(火) 14:15:41.93
初期に天皇の数字でまわりが伸びてたように
今はマイクラやゲマズの勢いが引っ張ってる
そこに乗らない奴はただの馬鹿だわ
いちごやちひろを見てみろ、統合したことでメリットあるのは種や無印なんだよ
今はマイクラやゲマズの勢いが引っ張ってる
そこに乗らない奴はただの馬鹿だわ
いちごやちひろを見てみろ、統合したことでメリットあるのは種や無印なんだよ
2019/01/15(火) 14:15:42.99
2019/01/15(火) 14:15:43.48
>>88
ちーモルを見ろ
ちーモルを見ろ
2019/01/15(火) 14:15:49.40
しばがエロ声でスパチャ稼いでるのはいいのか?
2019/01/15(火) 14:15:52.90
ここでの誰がどんな層に人気かなんて話は全部妄想だから聞き流しとけ
2019/01/15(火) 14:15:57.88
元旦ミラティブ
そろそろ消える
そろそろ消える
2019/01/15(火) 14:15:59.66
>>98
マイクラ終わったらどうすんの
マイクラ終わったらどうすんの
2019/01/15(火) 14:16:00.48
>>80
緑髪は不人気だから
緑髪は不人気だから
106名無しさん@お腹いっぱい。
2019/01/15(火) 14:16:08.36 よくわからないけどまこじきのすね毛抜けた
2019/01/15(火) 14:16:09.72
RPしてるやつなんて少ないのに叶くんだけ全然RPしてない!って叩かれるの可哀想!!!
2019/01/15(火) 14:16:13.82
ぼくのなまえはでびでびでびる
ぐふふ
ぐふふ
2019/01/15(火) 14:16:24.80
>>97
半身を照して、一巻の書籍に顔を近く寄せると、言うに言われぬ香水のかおり、肉のかおり、女のかおり――
書中の主人公が昔の恋人に「ファースト」を読んで聞かせる段を講釈する時には男の声も烈しく戦えた。「け
れど、もう駄目だ!」 と、渠は再び頭髪をむしった。 渠は名を竹中時雄と謂った。 今より三年前、三人
目の子が細君の腹に出来て、新婚の快楽などはとうに覚め尽した頃であった。世の中の忙しい事業も意味がな
く、一生作に力を尽す勇気もなく、日常の生活――朝起きて、出勤して、午後四時に帰って来て、同じように
細君の顔を見て、飯を食って眠るという単調なる生活につくづく倦き果てて了った。家を引越歩いても面白く
ない、友人と語り合っても面白くない、外国小説を読み渉猟っても満足が出来ぬ。いや、庭樹の繁り、雨の点
滴、花の開落などいう自然の状態さえ、平凡なる生活をして更に平凡ならしめるような気がして、身を置くに
処は無いほど淋しかった。道を歩いて常に見る若い美しい女、出来るならば新しい恋を為たいと痛切に思った
。 三十四五、実際この頃には誰にでもある煩悶で、この年頃に賤しい女に戯るるものの多いのも、畢竟その
淋しさを医す為めである。世間に妻を離縁するものもこの年頃に多い。 出勤する途上に、毎朝邂逅う美しい
女教師があった。渠はその頃この女に逢うのをその日その日の唯一の楽みとして、その女に就いていろいろな
空想を逞うした。恋が成立って、神楽坂あたりの小待合に連れて行って、人目を忍んで楽しんだらどう……。
細君に知れずに、二人近郊を散歩したらどう……。いや、それどころではない、その時、細君が懐妊しておっ
たから、不図難産して死ぬ、その後にその女を入れるとしてどうであろう。……平気で後妻に入れることが出
来るだろうかどうかなどと考えて歩いた。 神戸の女学院の生徒で、生れは備中の新見町で、渠の著作の崇拝
者で、名を横山芳子という女から崇拝の情を以て充された一通の手紙を受取ったのはその頃であった。竹中古
城と謂えば、美文的小説を書いて、多少世間に聞えておったので、地方から来る崇拝者渇仰者の手紙はこれま
でにも随分多かった。やれ文章を直してくれの、弟子にしてくれのと一々取合ってはいられなかった。だから
5c27ec303f
平凡なる物語が更に平凡でないことを互に思い知ったらしかった。この時、今十五分も一緒に話し合ったなら
ば、どうなったであろうか。女の表情の眼は輝き、言葉は艶めき、態度がいかにも尋常でなかった。「今夜は
大変綺麗にしてますね?」 男は態と軽く出た。「え、先程、湯に入りましたのよ」「大変に白粉が白いから
」「あらまア先生!」と言って、笑って体を斜に嬌態を呈した。 時雄はすぐ帰った。まア好いでしょうと芳
子はたって留めたが、どうしても帰ると言うので、名残惜しげに月の夜を其処まで送って来た。その白い顔に
は確かにある深い神秘が籠められてあった。 四月に入ってから、芳子は多病で蒼白い顔をして神経過敏に陥
っていた。シュウソカリを余程多量に服してもどうも眠られぬとて困っていた。絶えざる欲望と生殖の力とは
年頃の女を誘うのに躊躇しない。芳子は多く薬に親しんでいた。 四月末に帰国、九月に上京、そして今回の
事件が起った。 今回の事件とは他でも無い。芳子は恋人を得た。そして上京の途次、恋人と相携えて京都嵯
峨に遊んだ。その遊んだ二日の日数が出発と着京との時日に符合せぬので、東京と備中との間に手紙の往復が
あって、詰問した結果は恋愛、神聖なる恋愛、二人は決して罪を犯してはおらぬが、将来は如何にしてもこの
恋を遂げたいとの切なる願望。時雄は芳子の師として、この恋の証人として一面月下氷人の役目を余儀なくさ
せられたのであった。 芳子の恋人は同志社の学生、神戸教会の秀才、田中秀夫、年二十一。 芳子は師の前
にその恋の神聖なるを神懸けて誓った。故郷の親達は、学生の身で、ひそかに男と嵯峨に遊んだのは、既にそ
の精神の堕落であると云ったが、決してそんな汚れた行為はない。互に恋を自覚したのは、寧ろ京都で別れて
からで、東京に帰って来てみると、男から熱烈なる手紙が来ていた。それで始めて将来の約束をしたような次
第で、決して罪を犯したようなことは無いと女は涙を流して言った。時雄は胸に至大の犠牲を感じながらも、
その二人の所謂神聖なる恋の為めに力を尽すべく余儀なくされた。 時雄は悶えざるを得なかった。わが愛す
るものを奪われたということは甚だしくその心を暗くした。元より進んでその女弟子を自分の恋人にする考は
無い。そういう明らかな定った考があれば前に既に二度までも近寄って来た機会を攫むに於て敢て躊躇すると
半身を照して、一巻の書籍に顔を近く寄せると、言うに言われぬ香水のかおり、肉のかおり、女のかおり――
書中の主人公が昔の恋人に「ファースト」を読んで聞かせる段を講釈する時には男の声も烈しく戦えた。「け
れど、もう駄目だ!」 と、渠は再び頭髪をむしった。 渠は名を竹中時雄と謂った。 今より三年前、三人
目の子が細君の腹に出来て、新婚の快楽などはとうに覚め尽した頃であった。世の中の忙しい事業も意味がな
く、一生作に力を尽す勇気もなく、日常の生活――朝起きて、出勤して、午後四時に帰って来て、同じように
細君の顔を見て、飯を食って眠るという単調なる生活につくづく倦き果てて了った。家を引越歩いても面白く
ない、友人と語り合っても面白くない、外国小説を読み渉猟っても満足が出来ぬ。いや、庭樹の繁り、雨の点
滴、花の開落などいう自然の状態さえ、平凡なる生活をして更に平凡ならしめるような気がして、身を置くに
処は無いほど淋しかった。道を歩いて常に見る若い美しい女、出来るならば新しい恋を為たいと痛切に思った
。 三十四五、実際この頃には誰にでもある煩悶で、この年頃に賤しい女に戯るるものの多いのも、畢竟その
淋しさを医す為めである。世間に妻を離縁するものもこの年頃に多い。 出勤する途上に、毎朝邂逅う美しい
女教師があった。渠はその頃この女に逢うのをその日その日の唯一の楽みとして、その女に就いていろいろな
空想を逞うした。恋が成立って、神楽坂あたりの小待合に連れて行って、人目を忍んで楽しんだらどう……。
細君に知れずに、二人近郊を散歩したらどう……。いや、それどころではない、その時、細君が懐妊しておっ
たから、不図難産して死ぬ、その後にその女を入れるとしてどうであろう。……平気で後妻に入れることが出
来るだろうかどうかなどと考えて歩いた。 神戸の女学院の生徒で、生れは備中の新見町で、渠の著作の崇拝
者で、名を横山芳子という女から崇拝の情を以て充された一通の手紙を受取ったのはその頃であった。竹中古
城と謂えば、美文的小説を書いて、多少世間に聞えておったので、地方から来る崇拝者渇仰者の手紙はこれま
でにも随分多かった。やれ文章を直してくれの、弟子にしてくれのと一々取合ってはいられなかった。だから
5c27ec303f
平凡なる物語が更に平凡でないことを互に思い知ったらしかった。この時、今十五分も一緒に話し合ったなら
ば、どうなったであろうか。女の表情の眼は輝き、言葉は艶めき、態度がいかにも尋常でなかった。「今夜は
大変綺麗にしてますね?」 男は態と軽く出た。「え、先程、湯に入りましたのよ」「大変に白粉が白いから
」「あらまア先生!」と言って、笑って体を斜に嬌態を呈した。 時雄はすぐ帰った。まア好いでしょうと芳
子はたって留めたが、どうしても帰ると言うので、名残惜しげに月の夜を其処まで送って来た。その白い顔に
は確かにある深い神秘が籠められてあった。 四月に入ってから、芳子は多病で蒼白い顔をして神経過敏に陥
っていた。シュウソカリを余程多量に服してもどうも眠られぬとて困っていた。絶えざる欲望と生殖の力とは
年頃の女を誘うのに躊躇しない。芳子は多く薬に親しんでいた。 四月末に帰国、九月に上京、そして今回の
事件が起った。 今回の事件とは他でも無い。芳子は恋人を得た。そして上京の途次、恋人と相携えて京都嵯
峨に遊んだ。その遊んだ二日の日数が出発と着京との時日に符合せぬので、東京と備中との間に手紙の往復が
あって、詰問した結果は恋愛、神聖なる恋愛、二人は決して罪を犯してはおらぬが、将来は如何にしてもこの
恋を遂げたいとの切なる願望。時雄は芳子の師として、この恋の証人として一面月下氷人の役目を余儀なくさ
せられたのであった。 芳子の恋人は同志社の学生、神戸教会の秀才、田中秀夫、年二十一。 芳子は師の前
にその恋の神聖なるを神懸けて誓った。故郷の親達は、学生の身で、ひそかに男と嵯峨に遊んだのは、既にそ
の精神の堕落であると云ったが、決してそんな汚れた行為はない。互に恋を自覚したのは、寧ろ京都で別れて
からで、東京に帰って来てみると、男から熱烈なる手紙が来ていた。それで始めて将来の約束をしたような次
第で、決して罪を犯したようなことは無いと女は涙を流して言った。時雄は胸に至大の犠牲を感じながらも、
その二人の所謂神聖なる恋の為めに力を尽すべく余儀なくされた。 時雄は悶えざるを得なかった。わが愛す
るものを奪われたということは甚だしくその心を暗くした。元より進んでその女弟子を自分の恋人にする考は
無い。そういう明らかな定った考があれば前に既に二度までも近寄って来た機会を攫むに於て敢て躊躇すると
2019/01/15(火) 14:16:30.53
ニコ動で人気ある奴が伸びるのは事実
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