みなさん、ぼくも、こころの底から驚きました

 もちろん渋野日向子さんに、です。
 まさかの二十歳のメジャー優勝、その瞬間の直後、午前2時50分に思わず仕事をそっちのけにして、このエントリーを書き始めています。
 ゆうべも今夜も、たまたま原稿を書きつつ、全英女子オープンを見ていました。
 ゆうべに渋野さんがトップに躍り出たときも、かなりびっくりしたけど、最終日の今夜に渋野さんがいったんダブルボギーを叩いて、それで渋野さんの爽快な姿勢がまるで変わらないことに、さらにびっくり。
 そして最終の最終の長いパターを平然と強く打って、再逆転のバーディーを決めたときは、スポーツでこれほど驚くことはあまりないほどでした。

 日本のまったく新しい力なのはもちろん、世界にとっても、これまで見たことの無いアスリートだと思います。

 ぼく自身は、熱中したのがアルペンスキーにモータースポーツ ( いずれも下手くそ ) ですから、ゴルフのようにゆっくりしたリズムのスポーツが苦手です。
 それでも民間専門家の端くれ時代にはお付き合いで、台風直撃中の沖縄で無茶なラウンドをしたりしましたが、国会議員になってからは、ゴルフクラブもどこに仕舞ったきりだっけ、という感じです。一度もクラブに触っていません。

 しかし、第一級のゴルファーが展開する極めて精神性の高い戦いは、ときどき、原稿をいつも書きながらではありますが、敬意を持って、画面越しに眺めています。
 スポーツはなんでも最後はメンタルですが、スピードのある無しにかかわらず、精神が問われる競技は見るのが好きです。
 たとえば重量挙げは、とても高度な神経戦だと思って、大好きです。来年のオリンピックも、重量挙げだけ切符を買えました。
 ゴルフは、アマチュアからトッププロまで、勝ちそうになれば、あるいは逆に困難に直面すれば、手が震える競技ですから、こころの根っこが問われるスポーツですね。

 ところが渋野さんは、凄絶なまでに神経を研ぎ澄ませる局面でも、なんの強張りもない。
 まるで、ひらいたばかりの朝顔のような笑顔で、ギャラリーの求めるまま全員の手とタッチ、そのホール間の移動ぶりだけでも驚嘆です。
 あんな表情のひとがかつて居たでしょうか。

 ぼくはおのれの掲げる「脱私即的」、わたくし心を脱して本来の目的に即 ( つ ) く、という自作の銘の意味をあらためてもう一度、短く、しかし深く考えたぐらいです。

 それにしても、最後のパット、ゴルフが苦手なぼくが言うのも何ですが、グリーンはすこし下ってましたよね。
 それを合わせに行かないで、それっ入れと、邪気のない子どもみたいに打てる。
 日本女子の潜在力、ポテンシャルは、やっぱり、素晴らしい。凄味がある。

 おめでとう、渋野日向子さん。
 日を向く子、そのままの日本女子、42年ぶりのスーパー快挙、おめでとうございます。
 さまざまに祖国が危機に立つなかで理屈抜き、文句なしに勇気づけられた日本女子、そして日本男子、きっと多いですよ !