▼しかしこのエントリーではまず、ある議員の発言を、ありのままに伝えておきます。
 記者出身でもあるぼくは、この議員の発言を正確にメモしました。
 ただ、国会審議とは異なり、部会などでの発言は基本的には、その発言者自身が明らかにすべきものです。
 だから、正確なメモを元にしつつ、趣旨だけを紹介します。したがって名前も記しません。
 この議員は前回・第3回の対策本部で「冷静になれ」という趣旨の発言を強い調子で発言されていました。
 これは、行政官たちに問うというより、明らかに参加議員に呼びかける発言でした。

 議員はみな、それぞれ冷静に発言していました。中国に厳しいことを申すのも、政府・行政官の側に対応を求めるのも、客観的な判断に基づいて発言していて、当たり前ですが感情で発言するような議員はいませんでした。
 したがって、やや不可思議に思いましたが、ほかの議員は、ぼくの見る限りこの発言をほぼ無視していました。
 なぜでしょうか。

 自由民主党で開かれる部会や、この対策本部のような自由発言の場は、なかなかに厳しい場でもあります。共感を呼んでいる発言と、無視される発言とに、はっきり分かれるのです。
 この議員の発言が後者に近くなった背景のひとつとして、捜査が進行中の事件が恐らくあるのでしょう。
 中国と自由民主党議員との関わりにおいて逮捕者も出し、疑惑のお金を受け取った複数の議員もリストアップされているカジノIR汚職事件です。
 発言者は、この事件への関与が指摘されています。

▼そしてこの議員は、第4回の対策本部では「もしも日本発の新しい感染症が出たら、その時に日本がどんな扱いを受けるのか、それを考えて発言し行動するべきだ」という趣旨を、前回同様に、強い調子で発言されました。
 ぼくは思わず、隣に座っていた閣僚経験者と顔を見合わせました。
 この閣僚経験者はリベラルな考えで知られるベテラン議員です。ぼくと考えの違うところもあるのですが、とてもフェアなひとで、最近、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 / JDI ) に加入され、総会や勉強会に積極的に出席してくれるひとです。
 このベテラン議員が「△■○だから」と仰いました。
 聴き取れませんでした。
 ぼくがお顔を見ると、「不起訴だと思っているんでしょう」と今度は、聴き取れました。
 ぼくは咄嗟に「あ、なるほど」と答えました。なるほどとは言いましたが、正確に言うと、起訴、不起訴ではありません。

 この議員は強制捜査は受けましたが、秋元議員のように逮捕されたりはしていないので、それ以前の段階です。
 ベテラン議員の仰りたかったのは「捜査の手がこれ以上伸びないと思って、安心して、中国寄りのことを言っているのじゃないですかね」という意味でしょう。
 あくまで公平に記さねばなりません。同じことを、この議員の側から言えば「潔白だから、自信を持って信念を述べている」ということになるのでしょう。

▼たったいま進行中の事件捜査そのものは、検察庁が法によって与えられた権限を行使し、証拠集めをしていくわけですから、立法府の人間があれこれ言うべき段階ではありません。
 しかし親中派という、自由民主党の中の一大勢力の影をこんなにストレートに、部会などで感じるのは珍しいことです。
 いろいろな解釈が成り立つでしょう。

 ほんとうに深い、ただならぬ関係を中国共産党と持ってしまっている議員は、部会でわざわざ中国擁護に聞こえるようなことは言わないから、この議員は正直な方だと考える人も居るかも知れません。
 ぼくもそれは考えました。

 けれども、対策本部が開かれてもう2日が過ぎ、仕事をしつつ頭のある部分でじっくり考えてきて思うのは、
やはり、それだけ中国にとって大変な危機なのだろう、だから自由民主党の部会や対策本部で、徹底的に中国の対応ぶりが叩かれることを座視できないのではないかと考えます。