臥薪嘗胆って故事あるだろ
相手への恨みを忘れないために薪の上に寝て苦い肝を舐めるってやつ
それと同じで俺もすいせいへの憎しみを保ちつづけるために毎週酢飯炊いてるよ
タマノイの「すしのこ」って粉末すし酢を固めに炊いたご飯の上に振りかける
無洗米じゃないよ ちゃんと研ぎ洗ったご飯だ
清潔に洗った手でぎゅぎゅぎゅって握る 気分は一流の寿司職人だよ
そして出来たシャリを……ゴミ箱に捨てるんだ
その瞬間俺はなんてことをしてしまったんだと慌ててゴミ箱を漁る
でももうシャリは生ごみの中に拡散し ぐちゃぐちゃになって いまはもう残骸しかない
その残骸を震える手で掴みながらこんな酷いことは二度としたくないと泣くんだ
でもこんな酷いことを平然とやってる女がいる そうすいせいだよ
そこで俺のすいせいの憎しみは酢飯の中に香り立つワサビのようにシャキっとするんだ
これが俺にとっての臥薪嘗胆なんだよ
これを毎週末やってる 残りの飯はねぎとろ掛けて食べてる