>>55
暗い路地裏、ピチャピチャと水音がする。よく聞けばズルルと何かをすするような音や、クチャクチャと噛む音も混ざっているのがわかった。
そこで私は見たのだ。
小さな人型の生き物、銀色の頭髪をしたソレが野良猫の臓物を喰らうのを。
私は一目散に逃げた。幸いにもソレは追ってくる気配は無く、私は逃げきる。が、ひとつ引っかかった。あの生き物は、長らく見ていない「ちびたま」ではないだろうか。
否、アレは回収されて幸せだと聞く。あんな場所にいるはずがない。しかし、それでも、不安は拭えなかった。もしあれがちびたまであれば、連れて行き転生させず捨て去って、次へ向かった彼女と我々を恨んでいるはずだからだ。
それ以来、私はあの路地へは近づいていない。
あの生き物が恐ろしい。