夏の怪談貼るぞ

「おっいるいる、あれはノコギリかな?」

帰省中やることもなく暇で始めた虫取りだったが、さすがド田舎。

「その子はミヤマクワガタですわ。」

いつの間に後ろに立っていたのだろうか、中学生ぐらいの可愛らしい女の子が立っている。

にこやかに微笑んではいるが、どこか生気がない。

「ノコギリさんはあちらですわ。」

彼女が指を差す方を見ると、なるほど、確かにさっきのよりもギザギザしている。

「ありがとう、お嬢ちゃん」

振り返ると誰もいなかった。

「そうかい、あの子に会ったのかい。あんたはお爺さんによく似てるからねぇ」

虫取り網を持った若かりし爺ちゃんと昼間の女の子が、モノクロの中で一際白い歯を見せている。

カルピスの氷が、カランと鳴った