とりあえず、はい

引用ここから

3.2 キャラクター型 VTuber
3.2.1 人格権
「中の人」の存在をうかがわせず、キャラクター自体が VTuber として活動しているか のようにふるまうキャラクター型 VTuber においては、パーソン型とは異なり、キャラク ターに対する誹謗中傷等を、「中の人」「パーソン」に対する人格権侵害と直接結びつける ことは難しくなる。「中の人」はいないという設定を持ち、「中の人」とキャラクターが人 格的に切り離されていると、「中の人」の人格権を以て、キャラクターへの侵害に対抗する ことができない。あくまで侵害の矛先は、キャラクターに対して向けられるにとどまり、 「中の人」には侵害が帰属するに及んでいないからである。
もっとも、「中の人」の存在が前景化されていないとしても、VTuber のキャラクター表 象を作る自然人は何らかの形で存在しているはずであるから、キャラクターが攻撃を受け ることによって、間接的に、背後にいる者の人格権も侵害されることはあり得る。しかし、 キャラクター型 VTuber における「中の人」「パーソン」は、キャラクターとは別人格であ り、あくまでキャラクター(の声や動き)を「作る」というスタンスであり続けるならば、 それは、VTuber ではない従来のマンガやアニメのキャラクターに対して「キャラディス」 がおこなわれた場合、その著作者が、自ら生み出した「我が子」のようなキャラクターを けなされて傷つくという事態とさほど相違はないことになる。
むしろ、キャラクター型 VTuber への「人格」攻撃については、「中の人」「パーソン」 の人格権を以て対抗・カバーしようとするより、端的にキャラクター自身が「人格主体」 として「人格権」を持つと捉える方がよほど自然であるとも言える。つまり、キズナアイ が「キャラディス」を受けた場合、「中の人」の人格が傷つけられているとするより、キズ ナアイ本人の「人格」(もちろん仮想的な/仮託したものであろうが)が傷つけられている と捉え、それを保護する法律構成が必要とも言える。現状、キャラクター・アバターに対する侵害によって、キャラクター・アバターとの間に精神的紐帯を結んでいる実在の人 間の人格権が侵害されたとする法律構成は可能であるが、法的に「人」として扱われては いないキャラクターそのものの人格権が侵害されたとすることはできない。立法論として は、キャラクターを「法人」化することによって、法人の人格権(名誉権など)を認め るという手法がかろうじて考えられる。

引用ここまで

引用元
バーチャル YouTuber の人格権および著作者人格権
https://researchmap.jp/harata/presentations/17931819/attachment_file.pdf