ある日、夜桜たまの元に一つの奇妙な手紙が届いた

送り主は書かれておらず、届け先すら書かれていないそれは、直接投函されたものである事を物語っている

『お前の正体を知っている』とだけ書かれた不気味な手紙

たった一つだけ、差出人を示す情報が本文の末に署名してあった

楠栞桜

夜の帳が下り、周囲の家庭からは温かい音が漏れ出している。日常、それが一層、この状況を現実から分断する

闇が差し込んだ部屋の中、ただ手紙の文章をなぞる。見えていない、しかしそれで良かった。理解はしていない、ただ受け取ろうとしたのだ。文章に潜む音を

1、2、3、4。カウント。ピノを食べる

閃光、ノートから漏れ出るIP。落ちる男

牌の、奏でる声が聞こえてくる

「私も、お前の正体不明を知っている」

そして――必ず見付け出す


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