理性と欲求は果たして二項対立的に捉えて良いものなのであろうか
理性が論理的思考を意味する際それは欲求のための手段でありむしろ協働の関係にある
欲求に対する理性が語られる際それは往々にして「自制」という意味でも捉えられる
この時その内実は「ある欲求に対する別の欲求の優越」だとはいえまいか
社会的に負の評価を受ける欲求を「欲求」と名づけ
正の評価を受ける欲求の「欲求」に対する優越またはその手段としての論理的思考を「理性」名づけているだけなのではないか
だとすれば「理性」と「欲求」はその具体的指示内容自体は変化しうる対立枠組みの識別記号であり、その意味においてはやはり二項対立的なのである

おしゅし(2021)『おしゅし[第4版]』おしゅし出版、34頁