私たちが気を付けるべきこと

ところで、情報開示請求の対象となる書き込みとは、具体的にどのようなものなのだろうか。深澤弁護士は「どんな書き込みでも、開示請求の対象になる可能性がある」という。

「以前は『バカ』とか『アホ』といったシンプルな悪口系の書き込みが多かったのですが、最近はSNSを中心に『こいつが犯人だ』というような、デマの書き込みも増えてきました。違法な書き込みに当てはまるケースのバリエーションが増えてきていると感じます」

一方で、開示請求を通すべきか、判断が難しいケースも出てきているという。「被害者の救済」と「表現の自由」、どちらの権利を優先すべきか、という議論は今後も続いていくと思われる。

このように、誰もが加害者となってしまう可能性があるいま、私たちはどんなことに気をつけて、情報の発信やコメントの投稿を行えばよいのか。深澤弁護士はこう話す。

「1つの基準として、その内容を実名でも書けるかどうか、というところはポイントになると思います。その書き込みを自分の友達・同僚・家族に見せられるか、ということです」

さらに、違法な書き込みをして、加害者になってしまわないための基準として、深澤弁護士は「他人の評判を落とすような書き込みではないか」、仮にそうであれば、「社会の正当な関心事であるか」「相当の根拠があるか」、以上の3つの視点を意識するべきだとアドバイスした。

公に発信する以上は、他人の権利を侵害することがないよう、責任をもって投稿をする必要がある。深澤弁護士は、「個人だからといって軽く見ず、企業と同じように守るべき大変な義務があることを理解していただきたい」と警鐘を鳴らした。