ちょっと訂正

カワウソ刑務所奮闘記 vol.1

いよいよ無実の罪で刑務所へ行くことになった。刑務所と言えば番号で呼ばれるのは有名だろう。
僕は「321番」となった。なかなか粋なことをしてくれるじゃないか。

まずは身体検査と知能検査が行われた。
サーフィンで鍛え上げたこの体に悪いとこなどあろうはずもないし、頭の方も強酸闘の集会「日本ピンフ大会in佐世保バーガー」で高校生代表としてピンフの大切さを訴える記事が青旗新聞に掲載されたエリートなのだ。両方とも好成績を残す。

その後刑務所長との面談に呼ばれた。所長の手には僕の処女作ながらベストセラーとなった「金の闘病記」が握られていた。
「カワウソ先生。お会いしたかったんですよ」
自分で言うのもなんだがドラマ化、映画化のオファーも来ている作品だ。ちょっと誇らしくなる。
「この本は女房が病気を押して高田馬場まで行って買ってきたんです」
高田馬場と言えばサイン会の会場だ。病身ながら来ていただいたのか。
「手に取っていただきありがとうございます。奥様がご病気とのことですが、お具合いかがでしょうか」
「ガンでガリガリに痩せて死んだよ。抗ガン剤の副作用に苦しみながらね。」
「そうでしたか。ご愁傷様です」
「一縷の望みをかけて横柄さんにもずきさんの主治医を聞いたらブロックされたよ。ファンクラブにも入っていたのに」
「もずきがやったのは標準治療の一般的な抗ガン剤なので特段変わったことはやっていないんです」
「ビタミン注射年間288万円 免疫療法ワンクール400万円募ったよね。妻と同じ病気に苦しむもずきさんのためオフセしたのに
フランスのフォアグラ代になっちゃった。あとガンの人ってそんなにいるのかな?って書かれたのは私の妻だったんだよ。あのときの悲しそうな顔 忘れることできないなあ」 
まずいファンがアンチ化するのが一番怖い。しかもここは刑務所という閉鎖空間なのだ。
「不安そうな顔をしてどうしました?大丈夫ですよ。日本で一番安全なのが刑務所の中です。どんなアンチだろうと近寄ることすらできません。」
本来なら刑務所へいるのは出汁巻きだったはずなのに、何の因果かインフルエイサーの僕が投獄されている。

ただ逆に考えればクリエイターとして刑務所という題材はおいしいかもしれない。
今年は書籍の年と決めている。今回執筆するのは様々な媒体で人気のなろう系はどうだろうか。
書籍がバズればグッズ展開やアニメ化も見込めるな。印税額を想像すると自然に頬が緩む。
なろう系といえば個性的なタイトルだ。個性的な名前のパン屋はどんどん潰れているけど気にしないことにする。
決めた「底辺商業高校から保育士専門学校夜間部を留年して彼女を堕胎させました」どうだこのインパクト。
本の帯はメンタームdaigoとゆたんぽ父にお願いするか。
以前使ったフレーズ「賠償金と弁護士さんを用意してお待ちください」も気に入っていたが、今回はこのタイトルで勝負を賭けることにする。

・・・続く