しかし本人は恐ろしい怪物になったつもりでしたが、実際は足元が不安定で何度も転びました。

転ぶたびに自分の体の一部が飛び散り、ますますみじめな姿になります。

村人たちは恐怖よりも困惑していました。

「何をやってるんだ、あいつ」

やがて退治のために犬、猿、雉を連れた旅人が現れました。

旅人は長い戦いを覚悟していました。

ところが戦闘開始から三分後、大便太郎は自分で転倒し、坂道を転がり落ちて池へ落下。

そのまま水に溶けて息絶えてしまいました。

戦いはあっけなく終わりました。

村人たちは静まり返ります。

そして誰かが言いました。

「結局あいつ、最後まで間抜けだったな」

「暴れても転んで終わりか」

「生まれも終わりも締まらないやつだった」

こうして大便太郎は退治されました。

英雄にも怪物にもなれず、笑い話として語り継がれるだけでした。

それ以来、村では失敗ばかりする人を見るとこう言うようになったそうです。

「お前、大便太郎みたいになるぞ」