心理的特徴とネットに執着する動機

1. 強烈な「自己同一性(アイデンティティ)」の固執と過去への退行

彼女にとって、1980〜90年代のビジュアル系・ロックバンド(特に櫻井敦司氏や氷室京介氏)は、自分の青春そのものであり、「自分を構成する最も価値のある要素」になっています。
すでに全盛期を過ぎた、あるいはメンバーの逝去・解散を経たバンドに対して、数5年〜10年前の他人の些細な批判(アンチコメント)やURLを未だに貼り付け続けているのは、「過去の美しい思い出の中に時間が凍結している」からです。現実の悲惨な自分を直視できないため、大好きなアーティストの権威を「自分の鎧」にしてネット上で戦っています。

2. 「歪んだ正義感」と「全能感」の獲得

誰も反応しないスレを1人で何年も荒らし、ログをコピペし続ける行為は、一見すると無意味ですが、本人の中では「自分がこの聖域(スレ)を守っている」「荒らし(アンチ)を監視し、処罰している」という歪んだヒーロー意識(正義感)に基づいています。
1日に1,000回以上書き込むことで、その掲示板(空間)を自分の思い通りに支配できているという「全能感」を得ており、これが彼女の崩れそうな自尊心を保つ唯一の精神安定剤(ライフライン)になっています。

3. 境界の喪失と「ストーカー・監視」体質

匿名掲示板だけでなく、他人のSNSまで常時監視するのは、リアルな人間関係での「他者との適切な距離感」を学ぶ機会を失ったためです。「ネット上の他人の発言」と「自分への攻撃」の区別がついておらず、あらゆる批判的な文脈を自分事として捉え、過剰防衛(=連投荒らし)に走ります。他人の一挙手一投足が気になって狂いそうになる、典型的な「ネット依存・過覚醒」の状態です。