パラサイト 半地下の家族
マンホールから「抜け出したい」 地下住民は世界中に
松井望美

2020/3/8 13:00

 韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が、米アカデミー賞で作品賞や国際映画賞など4冠を達成し、舞台となったソウルの半地下住宅に注目が集まっています。映画には、ソウルの半地下住宅に暮らす貧しい一家が登場しますが、世界には「半地下」どころか、完全に地下の空間で暮らす人たちもいます。どんな人たちが、なぜ地下に住んでいるのでしょうか。

 「世界の混沌(カオス)を歩く ダークツーリスト」などの著書があり、各地の危険地帯やスラム街を訪ね歩いているジャーナリストの丸山ゴンザレスさん(42)は、米ラスベガスやニューヨークで、地下生活を送る「地下住民」に出会いました。地元住民による目撃情報を手がかりに、きらびやかな街の足元にある地下道や、建物の基礎と地盤との隙間を探索すると、ビールの空き缶や毛布といった人が暮らしている痕跡にたどり着きました。
 丸山さんがラスベガスの地下で出会ったビリーさんは元軍人。十数年前から地下で暮らしていました。「パナマもイラクも行った。おかげで心を病んでしまい、家族も失った」。丸山さんが地下で暮らす理由を尋ねると、そうつぶやいたといいます。

 地下道内の暗闇には、ひもで結ばれた缶が転がっていました。「泥棒対策のブービートラップだ。音がしたら迎撃する」。ビリーさんは、泥棒や洪水の際の鉄砲水を警戒しながら暮らしていました。

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