››153-158
現在のDTMの環境って、昔とちがい比較的簡単にプロと同じ制作環境が整えられるからね。
プロと同じ音源、プロと同じDAW、プロと同じ各種エフェクト(プラグイン)etc.

その代わり、作詞、作曲、編曲、ミックスダウン、マスタリングといったプロが分業でやっている仕事をひとりでやる必要がある。
もちろん、お金を払えばプロにやってもらうこともできるんだけど、それだとお金がかかるうえ自分の知識や技術が向上しない。

そんなわけで、現代のDTMは覚えることが膨大。
知識を詰め込むだけでも何とかなる学校の勉強とは違い、音楽の場合は知識と一緒に実際の音も覚えないといけない。

簡単な例を挙げると、アナログシンセの場合、原音となる基本の波形には正弦波、ノコギリ波、三角波、矩形波がある。
でも、各波形が実際にどう聞こえるのかは自分で確かめてみる必要がある。
またシンセで音作りするためには、自分の欲しい音がどの基本波形を基にしたものかも知っておかないといけない。

さらに言うと、音は波なので互いを打ち消しあったり増幅したりする性質があるため、そのままミックスするだけでは音が濁る。
単体のトラックで聴くとキレイに聞こえる音が、他の楽器や音源と混ぜ合わせるとボヤけたり埋もれたりしてしまう。
こういった混乱を解消し、楽曲全体をクリアなサウンドに整えるためには、かなりの知識と技術と根気が必要とされる。
(実際、ミックスで音を整えるためのプラグインツールは、膨大な数の製品が販売され日夜しのぎを削っている)

ひとことで言うと、現代のDTMはやってみないと分からないことが多すぎるため、スキルの習得に時間がかかる趣味なんだよね。
このあたりの事情は、語学やプログラミングの習得などと同様、チャレンジする人は多いが挫折する人も多いという共通点がある。