本拠地、プラヴェンで迎えた防衛戦
スワディア歩兵が総崩れ、弩兵も勢いを見せず惨敗だった
敗走中に響く臣下のため息、どこからか聞こえる「スワディア王国は滅亡だな」の声
無言で敗走を続ける兵達の中、スワディア王ハルラウスは独りテヴァリン城で泣いていた
勝ち戦で手にした街、城、捕虜、そして何より信頼できる臣下・・・
それを今のスワディアで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」ハルラウス王は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、ハルラウス王ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい甲冑の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って祝宴をしなくちゃな」ハルラウス王は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ハルラウス王はふと気付いた

「あれ・・・?兵士がいる・・・?」
城主の間から飛び出したハルラウス王が目にしたのは、城の中庭を埋めつくさんばかりのスワディア騎士達だった
千切れそうなほどに紋章旗が振られ、地鳴りのように鬨の声が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするハルラウス王の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「殿、敵が迫っています、早く迎え撃ちましょう」声の方に振り返ったハルラウス王は目を疑った
「ト・・・トレディアン郷?」  「王様、居眠りでもしていたのですか?」
「リ・・・リュイス大公?」  「なんだハルラウス王、かってにリュイス郷をサランの臣下にさせやがって」
「ハリンゴス郷・・・」  ハルラウス王は半分パニックになりながら城内を見回した
1番:ハリンゴス郷 2番:クラルグス郷 3番:リュイス郷 4番:ハルラウス王 5番:トレディアン郷 6番:クライス郷 
7番:グラインワッド郷 8番:デグラン郷 9番:ラファルド郷
暫時、唖然としていたハルラウス王だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
レガス郷から馬を受け取り、戦場へ全力疾走するハルラウス王、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ノヴァックで冷たくなっているハルラウス王が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った