https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20240918_2.php

上記記事は、資源エネルギー庁の見解に対して、再生エネ擁護の立場で反論しているが、はっきり言って穴だらけ。こんな杜撰な議論で再生エネを推進したら、それは大規模停電も発生するわ。
穴1 電力系統の安定性について論じるには、最低でも、有効電力、無効電力、短絡電流の三要素を総合して論じねばならないのに、有効電力についてしか触れられていない。
穴2 唯一論じている有効電力に関しても、従来の同期発電システムでは慣性力と同期化力で一時的な有効電力の変動に対応しているが、再生エネでも疑似慣性で同等の対応が可能というだけで、肝心の疑似慣性の実現方法については殆ど触れていない。

ちなみに、従来型の同期発電システムでは、以下のようにして有効電力の突発的な変動に対応している。
有効電力の突発的に増大しても、同期発電システムには
@慣性力
A同期化力
があるため、何も制御しなくても、短時間的な周波数低下は小さく抑えられる。そこで、周波数が低下してから、
B原動機の出力を上げ、同期発電機の回転数=周波数を元に戻す。

一方、再生エネには@Aは存在しない。ただ、パワーエレクトロニクスのレスポンスは大変高速なので、Bのスピードを上げて素早く対応するというだけ。これが疑似慣性とやらの正体である。

この疑似慣性には大きな問題が存在する。それは、半導体の過負荷耐量が同期発電機よりも2桁以上低いことに起因する根本的な問題である。
同期発電機は、1割2割の過負荷なら、1時間2時間は耐えられる。だから、過負荷になったら予備機を立ち上げて追加投入することで、連続的な過負荷にも耐えられる。同期発電システムには可動部が存在するので、定期的なメンテが必要であり、ローテでメンテするために予備機は最初から持っているため、これによるコスト増はない。
一方、インバータの過負荷耐量が同期発電機よりも2桁以上低いため、こんな悠長なことはやってられない。対応方法としては、システムの定格電流よりも大容量の半導体素子を使用するか、同期発電システムよりも高速に予備器を追加投入するしかない。
前者は、コストが増大するし、エネルギー変換効率も落ちる。後者でも、可動部が存在しないために本来は必要ない予備器を持たねばならないのだから、大幅なコスト増だ。
また、発電システムへの入力が天気任せ風任せなのが再生エネの特徴なのだから、エネルギーを蓄えておくバッファーが絶対に必要で、現時点ではバッファーになるのはバッテリーしかない。だが、大容量のバッテリーはこれまたコストを押し上げるし、資源量の問題もある。

つまり、有効電力の問題だけ見ても、再生エネをメインにしようとすると、従来型の同期発電システムの補助に過ぎなかった時には問題にならなかった安定性確保のために莫大なコストが発生する。これは、技術が進歩しても変わらない根源的な問題である。

しかも、そのコストをかけなくても普段の運転には支障がないため、追加の必要性を訴えにくいコストときている。
こう考えていくと、今回のポルトガル・スペイン大停電の根本原因は大体見当がつくな。