ブラックホール内部は「究極にもつれた量子状態」 - 日大などが理論的に解明
2026/02/03 22:44
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20260203-4075799/
>>ブラックホールに関する重要な未解決問題の1つに、「ブラックホールに落ちた情報は最終的にどうなるのか」という「情報喪失問題」がある。近年、この問題について大きな理論的進展があり、落ちた情報が完全に失われるわけではない可能性が示された。これにより、ブラックホールが量子論と矛盾しない形で理解できる道筋が見えつつある。こうした成果を受けて、現在の理論物理学では次の段階の問いとして、ブラックホールの内部そのものをどのように量子論として記述すべきかが注目されている。
>>この問題を考える上で重要となるのが、「ホログラフィー原理」だ。これは、ある空間の中で起きている重力を含む物理現象が、その空間の境界にある重力を含まない物理法則によって完全に説明できるという、極めて特異な概念となっている。また、マクロな世界(重力)を扱う一般相対性理論と、ミクロな世界を扱う量子力学を融合する究極の理論として期待される「超弦理論(超ひも理論)」では、その研究過程でホログラフィー原理が具体的に成立する例(AdS/CFT対応)が見つかり、現代の重力理論の研究において中心的な役割を果たしている。
>>しかし、このホログラフィー原理は、本来はブラックホールの外にいる観測者の視点で定式化されたものであり、ブラックホールの内部まで同様に記述できるのかは不明であった。特に、ブラックホール内でホログラフィー原理が成立するのか、もし成立するのならどのような形をとるのかを理解することは、現在の理論物理学における重要課題となっている。そこで研究チームは今回、理論物理学で用いられる特殊な宇宙モデルである「反・ドジッター時空」に存在するブラックホール内部の量子状態を理解するため、重力理論の枠組みの中で理論的な解析を行ったという。
>>今回の研究では、まずブラックホール内でもホログラフィー原理が成立すると仮定された。これは、ブラックホールの内も外も、量子論と重力理論の対応関係が何らかの形で成立しているという、近年の研究成果に基づく仮定だ。この仮定のもとで、今回の解析では、これまでの議論で前提として置かれてきた2つの重要な点について、純粋に重力理論の立場から検証と正当化が行われた。