>>119

第四に、「犯罪収益等」の没収・追徴に関する制度を整備している。すなわち、刑法の没収と追徴は有体物を対象としているが、「犯罪収益等」については、動産や不動産のほか金銭債権も没収・追徴の対象とし、由来財産や混和財産をも没収・追徴の対象としている(同法13条1項、16条)。これらは麻薬特例法なみに没収・追徴の対象範囲を拡張したものである。なお、当初は犯罪被害者に被害の原状回復を保障するため犯罪被害財産の没収・追徴を禁止していた(同法13条2項、16条1項)が、マネー・ロンダリングにより犯罪被害財産の追

求が困難となった場合には没収・追徴の禁止規定がかえって犯罪者に犯罪収益を不法に維持させる結果となることから、2006年法改正により、犯罪被害者の犯人に対する損害賠償請求権等の行使が困難であると認められる場合などには、犯罪被害財産についても没収・追徴ができるものとした(同法13条3項、16条2項)。

 さらに、「犯罪収益等」の没収・追徴の実効性を確保するために、起訴前にも、検察官または司法警察員の請求により裁判官が没収保全命令を発して財産処分を禁止することができるものとしている(同法23条1項)。