AIに頼ると技術が落ちる? 医師・エンジニアたちの懸念、検証結果は……Natureも警鐘
2026年06月22日 07時00分 公開
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2606/22/news041.html
 例えばポーランドの内視鏡専門医を対象とした研究は、AIがいかに早く人間の能力を低下させるかを浮き彫りにした。2000回以上の大腸内視鏡検査の経験を持つベテラン医師たちに、前がん病変(腺腫)をリアルタイムで見つけるAIを特定の日だけ使わせた。すると、医師はAIのサポートに慣れてしまい、AIが使えない日のパフォーマンスが目に見えて悪化した。
 AI導入前は28.4%の確率で病変を発見していたが、導入後にAIの支援なしで検査をした場合、発見率は22.4%にまで落ち込んでしまった。AIに頼ることで、自力で判断を下す際の集中力や自分で見つけようという責任感が薄れてしまうことが原因として指摘されている。
 同様のスキルの喪失は、プログラミングの世界でも確認されている。Claudeを開発する米Anthropicは、エンジニア52人にコードを書かせ、うち半分だけにAIアシスタントの使用を許可する実験を実施。作業後に内容の理解度を測るテストを実施したところ、AIを使ったグループの平均点は50%と、自力で作業したグループの67%を下回った。
 特に、エラーの原因を見つける問題での成績が悪く、AIに作業を任せて表面的な成果は出せても、その背後にある仕組みを学習できていなかった。この研究論文はarXivに投稿されている。