量子重力の観点から見ると、今回の成果は「自然界の基本法則には、自由に調整できる『つまみ』のような数が本当に存在するのか」というアルベルト・アインシュタイン以来の根本的な問いに関連している。理論に現れる連続的なパラメータが、外部から自由に決められる単なる数なのか、それとも理論の中の力学的な場として説明されるものなのかは、量子重力を考える上で重要な課題だ。
AdS/CFT対応を用いると、共形場理論において厳密にマージナルな演算子に由来する連続パラメータは、量子重力における場の真空期待値に対応する。この対応を今回の結果と合わせて考えると、量子重力における連続パラメータは、外部から自由に与えられるものではなく、力学的な場によって説明されるべきものであることが示唆される。これは、量子重力として成立する理論と、見かけ上はもっともらしくても量子重力とは両立しない理論を見分けようとする「スワンプランド・プログラム」の理解につながることが期待されるとしている。