銀河が成長するためには、星を生み出す材料となる水素やヘリウムなどを主成分とする大量のガスが必要となる。それも、-260℃以下という極めて低温の分子ガスである。極低温であることで分子運動が弱くなるため、微弱な重力が打ち勝ってガスが収縮して星の卵である分子雲が形成されていくのである。

この初期宇宙の銀河における冷たいガスの観測が試みられているが、大きな課題があった。初期宇宙は空間的に現在よりも極めて小さかったため、全方位から届く電磁波である宇宙背景放射が現在よりも強く、冷たいガスの観測を阻んでいたのである。そのため、これまで初期宇宙の銀河において冷たい分子ガスを直接観測した例は存在していなかった。