>>研究グループはさらに、干渉じまの方向依存性を解析した。原子列を結ぶ方向(x方向)に2つの原子が同じ向きに動けば、スリット間隔136pmが保たれて高次の干渉じまが生き残る。逆向きに動くと間隔が揺らいで高次のしまが失われる。一方、垂直方向(y方向)に同じ向きに動けば二重スリットの軸の向きが保たれ、逆向きに動くと軸が傾いて干渉じまが角度方向にぼやける。効果の現れる領域が2方向で異なるため、1枚の干渉パターンから2方向の協調振動の度合いを独立に読み取れる。

>>この解析から得られた相関係数は、x方向(結合と平行)が、y方向(結合と垂直)がだった。x方向の方が振動がそろいやすいという結果は、結合を伸び縮みさせる方向の剛性が、横にずらす方向の剛性より大きいことを反映している。相関係数は温度を900Kまで上げてもほとんど変わらなかった。原子振動のそろい方が、温度によらない原子結合そのものの性質を映していることを意味する。

>>この相関係数は、原子結合の「硬さ」を表す力定数と直接的に対応する。隣接原子が硬いバネで結ばれていれば、一方が動いたときもう一方も引きずられて動き、相関係数は大きくなる。逆に結合が軟らかければ、動きはばらばらになる。干渉じまから相関係数を読み取ることは、その原子結合がどれだけ硬いかを実空間で評価することに直結する。