自閉症の原因となる遺伝子変異が脳の発達を乱す仕組みが判明
2026年09月05日 10時00分
https://gigazine.net/news/20260905-autism-mutations-protein-networks/
>>自閉スペクトラム症(ASD)には250種類を超える遺伝子が関係するとされていますが、遺伝子に生じた変異が発達中の脳へどのような変化をもたらすのかは十分に分かっていません。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)を中心とする研究チームがASDと強く関連する100個の遺伝子から作られるタンパク質の結びつきを調べたところ、脳の発達を乱す仕組みが判明しました。
>>ASDは脳などの神経系の発達に関わる「神経発達症」の一種で、遺伝的要因の影響が大きいとされています。ASDに関連する遺伝子の中にはタンパク質を作るための情報を持つものがあり、こうした遺伝子に変異が生じると作られるタンパク質の形や働きが変わることがあります。しかし、ASDに関連する遺伝子が特定されても、変化したタンパク質が細胞内で何を起こすのかは十分に分かっていません。多くのタンパク質は他のタンパク質と結合して働くため、研究チームは遺伝子の変異によってタンパク質の結合相手がどう変わるのかに着目しました。
>>研究チームは、ASDとの関連を裏付ける証拠が強い遺伝子のうち100個を対象に、それぞれから作られるタンパク質の結合相手をヒトの細胞で調べました。さらに、ASDの患者から見つかった遺伝子変異がタンパク質同士の結びつきをどう変えるかを比較し、ヒトiPS細胞から作った脳のモデルを使って神経細胞の発達への影響を検証しました。
>その結果、100個のASD関連タンパク質に対して1074個の結合相手が見つかり、両者を結ぶ組み合わせは計1881通りに上ったと研究チームは報告しています。1881通りのうち87%は、これまで報告されていなかった組み合わせでした。
>>異なるASD関連タンパク質は、共通の相手や、複数のタンパク質が一緒に働くまとまりを介して大きなネットワークを作っていました。UCSFが公開したネットワーク図では、ひし形で示された100個のASD関連タンパク質が点で示された1000個を超える結合相手とつながり、いくつものまとまりを形作っている様子が読み取れます。
>>続いて、研究チームは30個のASD関連遺伝子に生じた計54種類の遺伝子変異を分析しました。これらはいずれもタンパク質を作る材料であるアミノ酸が1個だけ別の種類に置き換わる遺伝子変異です。それぞれの遺伝子変異がある場合とない場合でタンパク質同士の結びつきを比べると、結びつきが弱くなったり強くなったりした組み合わせが253件見つかりました。異なる遺伝子変異が同じ相手やタンパク質のまとまりとの結びつきに共通して影響する例も確認されています。