>>ダークエネルギーとダークマターの関連性を考えるべき理由は、DESIの発見以外にもある。テイシェイラらの最近の研究は、両者の相互作用を考慮することで、少なくとも一部のシナリオでは、宇宙論における最も根強い問題のひとつである「ハッブルテンション」、つまり「ハッブル定数」を巡る観測値の食い違いを緩和しうることを示している。

>>現在の宇宙の膨張率を示すハッブル定数だが、その値は、宇宙初期の膨張の様子を伝える光から求めることができる。また、超新星と呼ばれる星の爆発など、現在の宇宙の状態を示す比較的新しい現象を利用して測定することもできる。宇宙論の標準モデルによると、その膨張率はどのように測定しても同じになるはずだ。しかし近年、初期宇宙の膨張率とより最近の宇宙の膨張率には、約9%の食い違いがあることが判明している。

>>テイシェイラと共同著者たちは、この食い違いについて「系統誤差によるものなのか、それとも新たな物理学の兆候なのかを巡って、宇宙論コミュニティ内で激しい議論が巻き起こっています」と記している。このモデルでは、ダークエネルギーとダークマターが相互作用する場合、異なる膨張率によるこの食い違いは、危機的な問題ではなく、むしろ自然に生じるものとして説明できる。

>>弦理論と暗黒次元

>>ダークエネルギーとダークマターが実際に影響を及ぼし合っているのであれば、ふたつが共通の起源をもっていることを意味する可能性があるとクーリーは語る。

>>わたしたちの宇宙は、最小かつ最も根本的なレベルでは、振動する「弦」で構成されているとする「弦理論」の研究が進められており、これらの概念がどのようにつながりうるのかを示唆している。2019年、ダークエネルギーは本質的に変動するという弦理論の考え方に基づき、ヴァッファとふたりの共同研究者は、ダークマター粒子の質量も時間とともに変動する可能性があると結論づけた。これを踏まえ、研究者たちは2022年、ダークマターとダークエネルギーが「ダークディメンション(暗黒次元)」と呼ばれるものとつながっている可能性を提唱した。