ところで、この承継では、社長の急速な若返りが実現するでしょうから、
実はその会社にとって、絶好のイノベーションのチャンスなのです。
後継者を取り巻くブレーンを育て、しっかりとした布陣を整え、承継のための
経営組織を編成することになります。

しかし、適当な後継者に遭遇できなかったり、思うように育たないことが
あります。仮にそうなったとしても、この承継問題を放置することは
できません。現社長は、ステークホルダー全員を納得させる手を打たなければ
ならなくなります。このとき、承継より幅の広い、社長の「出口」という
考え方を検討することになります。この社長の「出口」には、3種類が
あります。後継者に対する「承継」以外にも、「キャッシュアウト」と
「廃業」があるのです。

キャッシュアウトとは、創業者の人には言えないような苦労を、割り切って
換金してしまうモノの考え方です。
「事業売却」(M&A=merger and acquisition)、
「MBO」(management buyout)、
「上場」、
「経営統合した後の上場」などがあります。
自らが高齢化する前に、割り切って手を打たなければならないのです。
また、廃業とは、倒産的廃業のことではなく、ステークホルダーには決して
迷惑をかけないという意味で、前向きに取り組む廃業のことです。
「清算バランスシート」を常日頃から作成しておき、潮時を見計らうことに
なります。これも大変苦しい判断なのです。