>>306
これも実際に存在する。
例によっておれの守備範囲は、出版と映像(音楽業界と重なる)だが、
大きな仕事を受けたゴーストが、下請けやチームを組んで仕事をすることがある。
元請けのゴーストからすれば、下請けは、ゴーストのゴーストか。

本の世界だと、シリーズ物を立ち上げるとき、まとまったタイトルが必要。
あるゴーストに「6冊、2か月で、XX先生の名前で」、と言った注文があるとする。
クライアントも、当然ゴースト単独ではなく、チームでの作業を前提としている。
その場合、元請けがアンカーになって、数人の下請けに分担作業をさせる。

映像関係の音でも、ホンづくりで参加したときに似たようなことがあった。
でかいコンテンツなので、多量の音源が必要だが、ゴースト一人では間に合わない。
こっちは、あるプロダクションが丸ごと引き受けて、YY先生の名前でつくった。

テキストと音楽(SE含む)を比べると、音楽の方が、匿名性が高いと思う。
「作曲家」といった作者名の価値は、どんどん下落していく感じだ。
無料で手に入る音源は無数にあるし、多少の改変で使える物は無限。
1本数百円でやるヤツも多いし、音楽の専門学校の学生などにやらせる場合も多い。
ほとんどタダ同然で、もちろん名前は出ずに、使い捨てだ。
でもやりたい人間はたくさんいるし、しかも夢を見ているので熱心だ。

20年くらい前?なら、ちょっとしたメロディメーカーなら「作曲家」「音楽家」といった
肩書きで仕事が取れたが、ここ十数年で全く状況が変わったのではないか。
創作性のある音作りは、ごく一部のトップのみで、その下は名前もなく
安い単価仕事で消耗品扱いされていく時代になったと思う。
音楽作りの世界で夢を見て、使い捨てにされる若者の末期をたくさん見てきた。