高市早苗首相の「台湾有事」答弁から7日で1年になる。

日中関係悪化に伴う中国政府によるレアアース(希土類)の輸出規制は続き、日本経済の大きな不安要素になっている。

◼異例の要請文書

「気味の悪い文書だ」「これだけ送られてきても、どうすればいいのか」

9月中旬、経済産業省がレアアース(希土類)のサプライチェーン(供給網)を巡る要請文書を経団連などに送付すると、財界関係者から困惑の声が上がった。

文書では冒頭「特定国による輸出管理措置以降、レアアースを含む重要鉱物の供給逼迫(ひっぱく)や価格上昇が生じている」と国としての危機感を示した。

その上で、中小や小規模事業者を含めた価格転嫁や、調達見通しを立てられることが必要と訴え、サプライチェーンの維持、強靱(きょうじん)化に向けた対応を求めた。

ただ調達不安が続く経済界からすれば、具体性が見えず、真意がわかりにくい文書が一方的に送られた格好だ。こうした内容で要請を受けるのは異例という。

経産省幹部は、企業に代替調達先の検討を見据えてもらう趣旨もあったとし、「中国を刺激しないレベルで経済界に要望を出すには、こういう文言にするしかなかった」と釈明する。

◼中国の対応は「生かさず殺さず」

中国政府は、昨年11月の高市首相の「台湾有事」答弁に反発し、レアアースを含むデュアルユース(軍民両用)品目の輸出規制を強化した。

レアアース磁石などの日本への輸出量の落ち込みは続いており、レアアース調達の多くを中国に依存する日本では、製造業を中心に深刻な影響が広がっている。

[毎日新聞] 以下、有料会員記事
2026/11/7 06:33
https://mainichi.jp/articles/20261106/k00/00m/020/290000c